ケア資格ナビ> ケアマネジャーガイド
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更新日:2023年4月14日
正式名称「介護支援専門員」、通称ケアマネージャーは、介護サービスを必要とする人が、適切なサービスを受けられるように計画作成・調整等のマネジメントを行う専門職です。
介護業界の仕事というと、高齢者の入浴や排せつをサポートするイメージを思い浮かべますが、ケアマネージャーは利用者の訪問と面談、書類作成や連絡調整などが主な業務です。
ケアマネージャーになるためには、介護福祉士などの資格を所持した人が、年1回の試験に合格する必要があるなど、ハードルは高めです。
そのため、他の介護職員よりも基本給が高く、待遇が良いなど大きなメリットがあります。 介護職員が目指すべき職種の1つです。
ケアマネージャーの活躍する職場は、居宅介護支援事業所、老人ホームなどの介護施設や、地域包括支援センターなどでも活躍します。居宅介護支援であれば「居宅ケアマネ」のように活躍する場所によって呼ばれ方が変わります。
ケアマネージャーは高齢者などの介護サービス利用者ができる限り自立した生活を送れるように、「利用者と家族」と「介護サービス事業所」の橋渡し役を行うなどマネジメントする役割があります。
具体的には以下のような業務があります。
ケアマネージャーは老人ホームなどの施設で働く「施設ケアマネ」と、要介護者の自宅などに訪問する「居宅ケアマネ」の2タイプあります。
施設内で快適に、希望通りに過ごせるよう介護サービスを考えます。そのため、基本的に施設内で行えるケアプランを作成します。 介護職員・看護師などが同じ施設にいることもあり、連携の物理的距離は比較的少ないものの、居宅ケアマネより多くの利用者に対応することが多いです。また施設により介護業務を兼任することもあります。
居宅介護支援事業所で働き、自宅に住む要介護者に対してケアプランを作成します。施設ケアマネと異なり関係者が別の場所にいることが多く、より調整・連携などのマネジメントが求められます。
自宅訪問を行ったり、訪問サービス事業所や訪問看護・医師等と連携を取り、ケアプランの見直しや提供状況を確認します。
基本的に介護業務を兼任することは無い一方、訪問介護事業所や訪問看護事業所などさまざまな人と連絡調整を行います。
施設ケアマネ | 居宅ケアマネ | |
---|---|---|
担当件数 | 最大100人 | 最大35人 |
担当する対象 | 施設入居者 | 自宅に住む高齢者 |
ケアプランの内容 | おもに施設内で行えるサービス | さまざまなサービス |
仕事の特徴 | ・担当件数が多い ・スピーディーさが求められる ・介護業務を兼任することもある |
・担当件数は施設よりも少ない ・自宅を訪問するので、移動時間がある ・身体介護を行うことはほぼなし |
厳密には求められる役割ですが、地域包括支援センターで働く場合は「介護予防ケアマネジメント」があります。「要支援」認定を受けた人が、要介護状態にならないようにサポートすることや、要介護状態を悪化させないようサポートします。
ケアマネージャーは、やりがいがあるため、さまざまな能力を求められます。 それぞれ紹介していきますが、最初から完璧を目指す必要はなく仕事を通して身に付けられる点も多くあります。
ケアマネージャーは、利用者などに対してのヒアリングや、介護事業所との連携などさまざまな人と関わります。 利用者の希望に沿ったサービスを提供するために、コミュニケーション能力は欠かせません。
ケアマネージャーは利用者1人に対して沢山時間をかけることができます。 一方でかけすぎてしまうと、他の利用者への対応時間が減ったり多忙になってしまいます。
無理のないスケジュール管理や優先度をつけた業務を行うコントロール能力が必要です。
ケアマネージャーは、書類作成という事務的な業務が多くあります。
例えば「ケアプラン」「サービス利用表」「サービス提供表」「給付管理表」などです。
基本的に書類は正確で効率よく進めることを求められます。
さらに詳しいケアマネージャーの役割と必要な能力についてはコチラ>>
ケアマネージャーの仕事は、介護を必要とする人をより幸せにするためにマネジメントを行うので、非常にやりがいがあります。
そして、それ以外にもケアマネージャーになるメリットはたくさんあります。
ケアマネージャーは年1回の試験に合格する必要があるなど、介護職員と比べると難易度が高い分、給与等の待遇も良い傾向にあります。
保有資格 | 平均月給額(常勤) |
---|---|
介護職員初任者研修 | 300,510円 |
介護福祉士 | 328,720円 |
ケアマネージャー | 362,290円 |
※令和2年2月時点で介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得している事業所
※平均給与額は基本給(月額)+手当+一時金(10~3月支給金額の1/6
出典:厚生労働省 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要
介護職員は夜勤や土日出勤のある職場が多いですが、ケアマネージャーの場合は夜勤や土日の出勤がない職場も多くあります。
例えば、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所のケアマネージャーには夜勤がありません。
さらに2つの職場では、土日休みの求人も多くみられます。
ケアマネージャーの上位資格に、「主任ケアマネージャー」があります。国は2021年4月より、居宅介護支援事業所の管理者には原則として「主任ケアマネージャー」を置くよう義務付けました。(猶予期間あり)*
主任ケアマネージャーは、5年以上のケアマネ業務の経験がある人が取得できる資格です。ケアマネージャーから、さらに管理者や職場のリーダーとしてキャリアアップを図れます。
* 居宅介護支援事業所の管理者を主任ケアマネージャーとする経過措置は、2026年度まで延長されることになっています。
ケアマネージャーになるためには、都道府県で年に1回行われる「介護支援専門員実務研修受講試験」(以下、ケアマネージャー試験)に合格する必要がありますが、実際には3つのステップがあります。
順番にご説明します。
ケアマネージャー試験を受けるためには、受験資格をクリアしなければなりません。
ケアマネージャー試験の受験には、下記の2つの業務のうちいずれか、または両方に携わった年数が、通算して5年以上、かつ900日以上従事していることが必要です。
5年以上の実務経験は、国家資格などに登録後から実務経験の日数として数えることができます。実務経験の日数は受験資格の対象業務に従事していれば、どの業務でも合算することが可能です。
以下がケアマネージャー試験の受験資格となる法定資格と業務です。
1 | 法定資格保有者 | 保健・医療・福祉に関する以下の法定資格に基づく業務 【医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士を含む)、精神保健福祉士】 |
---|---|---|
2 | 生活相談員 | 生活相談員として、(地域密着型)介護老人福祉施設・(地域密着型)特定施設入居者生活介護(介護予防を含む)で、要介護者等の日常生活の自立に関する相談援助業務 |
3 | 支援相談員 | 支援相談員として、介護老人保健施設で介護者等の日常生活の自立に関する相談援助業務 |
4 | 相談支援専門員 | 障害者総合支援法第5条第16項及び児童福祉法第6条の2第6項に規定する事業の従事者としての業務 |
5 | 主任相談支援員 | 生活困窮者自立支援法第2条第2項に規定する事業の従事者としての業務 |
*出典 令和4年度千葉県介護支援専門員実務研修受講試験について
なお、ケアマネージャー試験を受験できる場所は、申し込み日時点の勤務地や勤務状況によって決まります。基本的には勤務地のある都道府県で受験することになり、お住いの都道府県とは限りませんので注意しましょう。
こちらも確認!>>これでわかる!ケアマネージャー試験の受験資格
ケアマネージャーになるための試験は年に1回行われます。国家試験ではなく、各都道府県が行う試験になります。
試験日は全国同日ですが、受験要項の配布期間や受験申込期間、受験手数料は都道府県により異なります。
2023年に行われる「第26回介護支援専門員実務研修受講試験」の情報は以下になります。
試験情報
試験日 | 2023年10月8日(日) |
---|---|
受験要項の配布 | 6月頃から6月末頃配布* |
受験申込期間 | 6月頃~6月末頃* |
受験手数料 | 都道府県により異なる* |
合格発表 | 2023年12月4日(月) 予定 |
*都道府県によって異なりますので、くわしくは指定実施機関にお問い合わせください。
ケアマネージャー試験の合格率は20%を切る年がほとんどで、難関といえる試験です。
第21回試験からは、受験資格が厳格化され、受験者数も大きく減っています。
受験資格を満たすまでのプロセス、そして合格率を考えても、ケアマネージャー試験は難関の資格といえるでしょう。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
第20回(平成29年度) | 131,560人 | 28,233人 | 21.5% |
第21回(平成30年度) | 49,332人 | 4,990人 | 10.1% |
第22回(令和元年度) | 41,049人 | 8,018人 | 19.5% |
第23回(令和2年度) | 46,415人 | 8,200人 | 17.7% |
第24回(令和3年度) | 54,290人 | 12,662人 | 23.3% |
第25回(令和4年度) | 54,406人 | 10,328人 | 19.0% |
出典:厚生労働省「介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」
ケアマネージャーになるには、試験合格後に「介護支援専門員の実務研修」を受講する必要があります。研修受講後に登録することで、晴れてケアマネージャーとして活躍できるようになります。
以下はケアマネージャーとして働くまでのフローチャートになりますので、必要な準備や時期を確認してみてください。
ケアマネージャー試験は、1年に1度しかなく、ここ数年では5人に1人しか合格しない難易度の高い資格です。
難易度の高い理由は、さまざま考えられますが、理由の1つとして「働きながら勉強しなければならない」という点が上げられます。 特に試験の受験資格を満たすための資格はどれも責任のある仕事が多いため、忙しいことが考えられます。
合格するためには、効率の良い学習が必要です。
スクールの試験対策講座では、ケアマネージャー試験に合格するためにスクール関係者が分析したカリキュラムを提供してもらえるため、独学より効率よく学習できます。通信講座もあるため、どうしてもスクールに通うことが難しい場合でも学習できますので、ぜひ活用しましょう。
スクールの講座はいくつもありますので、比較検討することをおすすめします。
ケア資格ナビでもさまざまなスクール講座資料を無料で請求できますので、まずは資料を請求して、いまの自分にプラスになりそうな講座をみつけましょう。
受講料は学ぶ内容を絞った受験対策講座で10,000円程度から、しっかりと学びたい方には60,000円程度の講座もあります。学び方・学ぶ内容・受講料などを検討して選ぶと良いでしょう。
ケアマネージャー試験は簡単ではありませんが、必要な知識をしっかり身に付けていれば合格できる試験です。自分に合った学習方法やスクールを見つけて、ぜひケアマネージャーとして活躍する夢を実現してください。
*1 「ケアマネージャー」の表記について:厚労省や地方自治体による文書では「ケアマネジャー」が正式な表記とされていますが、当サイトでは、現在一般的に使用されていることから「ケアマネージャー」を使用しております。
ケアマネージャーは、介護の分野で特に専門性の高い業務を担うため、居宅介護支援事業所をはじめ、多くの施設の運営になくてはならない人材です。介護付き有料老人ホームなどの施設で生活相談員として働ける他、一部の施設では管理者の役職に就くことも可能です。
事業所によって資格手当が支給されることもあり、介護の仕事を長く続けながら給与アップを目指す人におすすめの資格です。