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受講必須!ケアマネの実務研修とは?

Practice Training

ケアマネとして働くにはケアマネ試験に合格したあとに、研修を受講して修了しなければならないことをご存知ですか?
そもそもケアマネ試験の正式名称は「介護支援専門員実務研修受講試験」で、「介護支援専門員(ケアマネ)になるための実務研修を、受講する資格があるかどうか」を判断する試験となっています。

この記事では「介護支援専門員実務研修」とはどのようなものなのか、またケアマネとして働いていくうえで必要な研修をご紹介します。
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目次

介護支援専門員実務研修とは? ケアマネになるために必要なこと

介護支援専門員実務研修とは、ケアマネ試験合格後に行われる研修です。実務研修を受けないと、ケアマネとしての仕事をすることができません
実務研修は、ケアマネとして利用者の自立支援に資するケアマネジメントに関する必要な知識や技能を修得し、地域包括ケアシステムの中で医療との連携をはじめとする多職種協働を実践できるケアマネの養成を図ることを目的としています。
ケアマネとして働くためにはケアマネ試験合格後も、やるべきことがあります。ケアマネ試験合格後から、ケアマネになるまでの流れを見ていきましょう。

ケアマネ試験終了後~ケアマネになるまでの流れ

まずは、ケアマネ試験合格後の必要なステップを確認しておきましょう。

1)合格通知とともに実務研修の案内受け取り 2)実務研修申し込み 3)実務研修の受講 4)修了評価に合格 5)研修修了証明書の受け取り 6)都道府県への登録申請 7)介護支援専門員証の受け取り

「1」~「7」のステップを経て、晴れてケアマネになることができます。
実務研修は都道府県の実施団体ごとに募集があり、それに申込みをして許可を得た人が受講できるしくみになっています。
実務研修は、どんな内容を学ぶのでしょうか。

ケアマネの法定研修 実務研修とは?

熟練したケアマネになるためには、最短でも約10年程度の期間が必要と言われていますが、個人差もあるため、その差をなくすべく研修が展開されています。
ケアマネの実務研修とは、ケアマネ業務の基本となるケアマネジメントを実施するために必要な内容を学ぶ研修です。研修課程としては初歩的段階の研修にあたります。
ケアマネの研修課程には、実務研修の他にもレベルに合わせた研修がいくつもあります。おもな研修は以下の通りです。

実務研修
  1. 専門研修I
  2. 専門研修II
  3. 主任介護支援専門員研修
  4. 主任介護支援専門員更新研修
※最短10年

それぞれの研修には以下のような8つの目標が掲げられており、最終的に「主任介護支援専門員更新研修」を受講したあとに、これら8つの目標の能力が高まり、熟達度の高いケアマネとして養成されることが望まれています。

実務研修の目標

  1. 介護保険制度の知識
  2. コミュニケーション力
  3. ケアマネジメント実践力
  4. 多職種協働チーム活用力
  5. 査察的思考力
  6. 生涯学習・教育力
  7. プロ意識と倫理
  8. 地域アプローチ

それでは具体的には実務研修では、どんなことを学ぶのでしょうか。

ケアマネの実務研修の内容は? 実務研修の時間と日数

実務研修では前期で、ケアマネジメントプロセスに沿った基本的な考え方を理解します。後期では認知症・脳血管疾患など、要介護認定状態になる原因となる疾患別に、配慮すべき点などをふまえ、ケアマネジメントに展開する方法を修得します。
実務研修では介護に限らず看取りなど、ケアマネジメントを必要とするケースについて包括的に学ぶので、多種多様な知識を兼ね備えることができます

実務研修の時間は、2016年度の研修まで44時間でした。しかし地域にある社会資源の活用や多職種との連携を深めるためには、ケアマネージャーの資質向上が必要と判断され、任意研修であった「実務従事者基礎研修」(33時間)を統合しました。
実務研修の時間は、87時間となり、修了時には修了評価が実施されます。
東京都では、この87時間を15日間の講義・演習、居宅介護支援事業所での3日間の実習で構成しています。講義のうち5日間はDVD視聴によって自宅で履修することも可能としています。

研修課目(赤字:新たに追加された内容) 時間
前期
介護保険制度の理念・現状及びケアマネジメント 3時間
ケアマネジメントに係る法令等の理解 2時間
地域包括ケアシステム及び社会資源 3時間
ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の意義 3時間
人格の尊重及び権利擁護並びに介護支援専門員の倫理 2時間
ケアマネジメントのプロセス 2時間
実習オリエンテーション 1時間
講義
・演習
自立支援のためのケアマネジメントの基本 6時間
相談援助の専門職としての基本姿勢及び相談援助技術の基礎 4時間
利用者、多くの種類の専門職等への説明及び合意 2時間
介護支援専門員に求められるマネジメント(チームマネジメント) 2時間
ケアマネジメントに必要な基礎知識及び技術
受付及び相談並びに契約 1時間
アセスメント及びニーズの把握の方法 6時間
居宅サービス計画等の作成 4時間
サービス担当者会議の意義及び進め方 4時間
モニタリング及び評価 4時間
後期 講義
・演習
実習振り返り 3時間
ケアマネジメントの展開
基礎理解 3時間
脳血管疾患に関する事例 5時間
認知症に関する事例 5時間
筋骨格系疾患と廃用症候群に関する事例 5時間
内臓の機能不全(糖尿病、高血圧、脂質異常症、心疾患、呼吸器疾患、腎臓病、肝臓病等)に関する事例 5時間
看取りに関する事例 5時間
アセスメント、居宅サービス計画等作成の総合演習 5時間
研修全体を振り返っての意見交換、講評及びネットワーク作り 2時間

ケアマネジメントの基礎技術に関する実習
合計 87時間
引用元 厚生労働省 介護支援専門員実務研修ガイドライン

実務研修の講義と演習

講義ではケアマネとして理解しておく必要がある基礎的な知識やルールなどを、ただ単に記憶するだけでなく、それらを個人学習やグループワークによって解説したり、活用したりするなどして定着させます。
演習では、実務を想定した訓練や体験を行います。ロールプレイとシミュレーションを適宜、組み合わせ、実践的な方法で学びます。

実務研修の実習

実習では、まだ実務経験のないケアマネが事業所などで業務を体験します。
事例としては居宅介護支援事業所などで、実際に勤務しているケアマネと一緒に利用者宅を訪問したり、サービス担当者会議に同席したりするなど、現場での業務を間近で見て学びます。

ケアマネの法定研修 専門研修・更新研修とは?

ケアマネの実務研修を修了し、登録が終わると「晴れてケアマネ!」なのですが、気をつけなければならないことがあります。それは、介護支援専門員証の有効期限です。
ケアマネや主任ケアマネの資格は5年の更新制で期限があるため、仕事を続けていくには研修を受講する必要があります。

研修名 時間 対象者
1:更新研修 54時間
  • 介護支援専門員証の有効期間内に、介護支援専門員としての業務経験がない人
  • 原則として専門研修の受講対象でない人
2:専門研修課程I 56時間
  • 現任で就業後6カ月以上の人
3:専門研修課程II 32時間
  • 現任で専門研修課程Iを修了し、就業後3年以上の人など
4:更新研修 32時間
  • 実務経験者
  • 介護支援員専門員証の有効期間内に「専門研修課程Ⅰ」を修了した人で、現在介護支援専門員として従事していない、または就業後通算3 年以上の実務経験がない人
5:更新研修 88時間
  • 実務経験者
  • 上記1~4に該当しない人
  • 現在の介護支援専門員証の有効期間内に実務経験はあるが、2の要件に該当しない人
再研修 54時間*
  • 介護支援専門員の登録を受けている方のうち、専門員証が失効した人
  • 今後新たに専門員証の交付を受けようとする人
  • 再研修を受講することが認められた人

* 別途演習を行う実施団体もあります。

参考:介護支援専門員証の更新に必要な研修のご案内 公益財団法人東京都福祉保健財団

ケアマネ試験に合格し、実務研修を受けてケアマネの資格を取得したとしても、すぐにケアマネの仕事をしない場合もありますね。
それでもケアマネは資格を取得後、必要な研修を受講しなければ、ケアマネとしての仕事を行うことはできないので、注意が必要です。

これらの研修は実施団体により異なりますが、参集型プログラムやオンラインプログラムなどで実施されています。
研修は、自分の受けたい時期に受講できない場合もあります。申し込み順ではなく、更新の緊急性が高い人を優先して受講する人を決定している団体もありますので、実施団体の情報を確認してください。

またこれらの研修を受講するには受講料がかかりますが、介護支援専門員研修は「特定一般教育訓練給付制度」の対象研修となっていますので、要件を満たす方は近くのハローワークの情報をチェックしてみてくださいね。

主任ケアマネとして働く! これからのケアマネは?

ケアマネは長く働ける職種であり、通算5年(60カ月)以上の実務経験などの要件を満たせば、主任介護支援専門員(主任ケアマネ)を目指して、「主任介護支援専門員研修」という上位資格の研修を受講することができます
資格を取得後もキャリアアップが目指せるケアマネは、ぜひ取得したい資格です。

主任介護支援専門員研修とは?

主任ケアマネになるには、受講対象者となる条件を満たしたあと、主任介護支援専門員研修を受講する必要があります。

研修名 時間 対象者
主任介護支援
専門員研修
70時間
  • 専任の介護支援専門員として従事した期間が通算して 5 年(60 カ月) 以上である人(管理者との兼務可)
  • ケアマネジメントリーダー養成研修を修了した人、または「認定ケアマネージャー」であって、専任の介護支援専門員として従事した期間が通算して 3 年(36 カ月)以上である人 (管理者との兼務可)
  • 規定する主任介護支援専門員に準ずる人として、地域包括支援センターに配置されている人
  • 介護支援専門員の業務に関し、十分な知識と経験を有する人であり、都道府県が適当と認める人
  • 上記の要件以外の都道府県において実情に応じた受講要件
主任介護支援専門員
更新研修
46時間
  • 介護支援専門員に係る研修の企画、講師やファシリテーターの経験がある人
  • 地域包括支援センターや職能団体等が開催する法定外の研修等に年 4 回以上参加した人
  • 日本ケアマネジメント学会等が開催する研究大会等において、演題発表等の経験がある人
  • 日本ケアマネジメント学会等が認定する認定ケアマネージャー
  • 主任介護支援専門員の業務に十分な知識と経験を有する者であり、 都道府県が適当と認める人

参考:主任介護支援専門員研修 ガイドライン 厚生労働省

主任ケアマネは、ケアマネの中でも経験豊富な頼りになる人材です。その主任ケアマネは、2027年度から基本的に居宅介護支援事業所の管理者となる要件となっています。
現場のケアマネや介護職員として働く人が管理者ともなれば、当然給与は上がることが予測できます。

介護業界の中でもケアマネに対する処遇改善は注目されています。ケアマネは、ケアマネ試験が終わってからも、いろいろな研修を受講しなければなりませんが、給与アップも期待できる仕事です。
ケアマネは、介護職の中でも中心的な役割を担います。あなたもケアマネの資格を取得してみませんか? 
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* 「ケアマネージャー」の表記について:厚労省や地方自治体による文書では 「ケアマネジャー」が正式な表記とされていますが、当サイトでは、現在一般的に使用されていることから「ケアマネージャー」を使用しております。

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ケアマネ―ジャーになったあとは

ケアマネージャーの仕事内容は多岐に渡るので、仕事をしているうちに必要なスキルや学びたいことが見つかるパターンが多いようです。
パートで計画作成担当者として働く人や、主任ケアマネを目指すまでの間の実務経験を積みたい人は、今こそがスキルアップのチャンスです! 
自分の業務に関連する資格はチェックしておきましょう。

今すぐ取れる!合わせて持っておきたい資格

  • 介護事務:小さな事業所で働く場合、請求作業も担当することがあります。
  • 福祉用具専門相談員:居宅・訪問・地域包括などには福祉用具の専門家が少ないケースも。
  • 福祉住環境コーディネーター:居宅や地域包括にて、住宅改修の相談に応じられます。
  • 介護予防:地域包括で働くケアマネにおすすめ!介護報酬改定で注目されています。
  • 行動援護従業者:訪問先の事業所が行動援護を提供しているなら取得しておきたい。

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