ケア資格ナビ> 調剤薬局事務ガイド
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どなたでも目指せます
調剤薬局事務の資格は、調剤薬局で事務スタッフとして働くために活用される資格です。受付や会計、レセプト業務をするために、医療保険制度の基礎や薬剤の知識、調剤報酬請求に関する専門的な知識などを学びます。
調剤薬局事務の資格試験はどなたでも受験できるものがほとんどで、資格講座を3日間だけ受講して目指せる資格もあります。
未経験から短期間で取得できる資格が多いため、つねに一定の人気がある資格となっています。通信講座もありますので、子育て中の人や仕事をしている人でも無理なく取得を目指せます。
調剤薬局事務の資格に国家資格はなく、民間資格がいくつもあります。女性に人気の資格ですが、そもそも調剤薬局事務の仕事をする際に資格は必要なのでしょうか。
実は、調剤薬局事務の仕事は資格がなくても就くことができるのですが、資格を持つメリットを考えて多くの人が取得しています。
●未経験でも就職・転職に有利
調剤薬局事務は経験者が優先的に採用される傾向があります。未経験の人は資格を取得することで知識やスキルがあることを証明でき、採用の確立を上げることができます。
●仕事をスムーズに開始できる
調剤薬局事務の資格を取得するために学ぶ知識は、実務に即した内容です。知識があることで、仕事のスタート時に仕事の内容を理解しやすくなり、スムーズにスタートできます。
●全国どこでも活躍できる
調剤薬局などの処方箋受付窓口は全国各地にあり、仕事内容は基本的にどこに行っても変わりません。資格を取得しておけば、引っ越しや転勤があっても再就職がしやすくなります。
即戦力となる調剤薬局事務はどこへ行っても求められていますので、調剤薬局事務の資格を取得すればどこでも仕事に就きやすくなるメリットは大きいと言えます。
調剤薬局事務の資格は試験に合格すると取得できるものと、民間スクールなどが主催している講座を修了後に認定試験や検定に合格することで取得できるもがあります。
講座を受講して取得する資格は、短い期間でポイントをしっかり学べる講座が多く、通信で最短1カ月~、通学の場合は最短3日で修了できます。
講座内容
受講スタイル | 通学・通信 |
---|---|
受講期間 | 通学:最短3日~/通信:最短1カ月~ |
受講費用 | 通学:40,000円前後/通信:30,000円前後 |
医療保険制度や薬の知識、調剤報酬請求の実技の他に、接遇マナーやコンピュータ操作のスキルを学べる講座などもあり、認定団体によって内容は多少異なっています。
前述のとおり、調剤薬局事務の資格はすべて民間資格のため、認定団体により複数の資格が存在しています。どの資格も合格することで、調剤薬局事務の業務に必要な一定のスキルがあることを証明できます。
調剤報酬請求事務技能検定
受験資格 |
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試験日程 | 通学:奇数月の第2日曜日 |
受験料 | 6,480円(税込) |
その他 |
試験時間:90分 受験科目:「実技試験」「学科試験」 試験には、資料の持ち込みが可能 |
調剤報酬請求事務技能認定
受験資格 | 一般財団法人日本医療教育財団の承認を受けた教育機関の学習を修了した人 |
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試験日程 | 教育機関による |
認定料 | 3,000円(税込) |
その他 |
試験時間:80分以内 受験科目:「実技試験」「学科試験」 合否判定:各得点率90%以上 試験には、資料の持ち込みが可能 |
医療保険調剤報酬事務士
受験資格 | 医療保険学院および認定教育機関が行う調剤報酬事務教育講座における中間テストに合格した人 |
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試験日程 | 年12回(毎月) |
受験料 | 初回無料、2回目以降4,000円(税込) |
その他 |
修了試験は在宅受験 受講開始後、1年以内であれば何度でも再試験の受験が可能 |
調剤事務管理士®
受験資格 | 特になし。年齢制限もなくどなたでも受験可能 |
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試験日程 | 年6回(奇数月の第4土曜日翌日の日曜日) |
受験料 | 6,500円(税込) |
その他 |
技能認定振興協会認定の資格で、合格すると認定されます 試験は在宅受験 受験科目:「実技試験」「学科試験」 合格率:60%程度 試験は資料や計算機の使用可能 |
調剤薬局事務は事務職のなかでも一定の人気のある職種です。ライフスタイルが変わりやすい女性にとって、調剤薬局事務は続けやすい職種と言えるからです。
人気の理由を確認してみましょう。
調剤薬局事務は正社員・派遣社員・パートなど働き方を選びやすい職種です。たとえば「正社員で勤務していたが、結婚・出産を機にパートに切り替えたい」「子どもが大きくなって時間に余裕が出てきたので、正社員になりたい」などの希望も通りやすく、自分に合った働き方ができます。そのため、幅広い年代の女性に人気があります。
厚生労働省は国民医療の質の向上を図る目的で、医薬分業を推進しています。そのため調剤薬局は昔よりも増えており、調剤報酬請求事務の専門知識を持つ人材は求められています。
また、高齢化により医療機関にかかる人もこの先も増えると見込まれており、調剤薬局の需要は継続していきます。調剤薬局事務がなくなることは考えにくく、将来も安心して働き続けられます。
病院やクリニックで薬が処方される際、薬の種類や量などが記載された処方箋が発行されます。院内処方の場合を除き、処方箋は薬局やドラッグストアに持ち込まれますが、そこで受付や請求書の発行などを行うのが調剤薬局事務です。
具体的にどのような業務を行うのか、確認してみましょう。
受付業務(処方箋受付・保険証確認など)
患者から処方箋を受け取ります。この際処方箋の期限が過ぎていないか、保険証内容に変更がないか、ジェネリック医薬品への変更を希望するかなどを確認します。初めての患者は薬歴簿登録のために必要な情報を確認します。
会計業務(処方箋データ入力・会計計算など)
処方箋に記載されている患者や保険証の情報、薬歴などをレセコンと呼ばれる専用パソコンに入力します。初めての患者は新規登録を行います。併せて調剤報酬を算定し、患者の自己負担分を示した請求書を作成します。
薬剤師のサポート業務(薬剤情報提供書・お薬シール・お薬手帳などの発行など)
処方箋データ入力と同時に薬の飲み方や注意が書かれた薬剤情報提供書やお薬手帳に貼るシールなどを印刷します。お薬手帳を持っていない患者に対しては新たに発行します。
調剤報酬明細書(レセプト)の作成や点検
医科診療報酬点数表に基づき、患者ごとに調剤報酬を計算し、調剤報酬明細書(レセプト)を作成します。請求は月1回、10日までに保険者(市町村や健康保険組合等)に対して行うため、月末月初は調剤報酬明細書の作成と提出で比較的忙しくなります。
その他の業務
薬局の規模や人数により仕事内容は変わってきますが、基本的には薬局における事務全般を担当します。上記の仕事以外に清掃、電話応対、医薬品や備品の在庫管理(検品・入庫・発注)、薬の宅配などを行うこともあります。
調剤薬局事務は、パートの場合で時給800円~1,300円程度、派遣社員は時給1,000円~1,500円程度、正社員は月給180,000円~200,000円程度が平均的な給料となっています。
地域や薬局の規模により差がありますが、経験者は優遇されることが多いです。またパートや派遣社員としてスタートして、のちに正社員となる場合もあります。
調剤薬局事務と医療事務はどちらも医療業界の事務職ですが、働く場所をはじめ仕事内容も異なります。
調剤薬局事務は病院の近隣などにある調剤薬局で働きます。薬局で医師の処方箋をもとに会計や保険請求を行います。患者さんに接するほか、薬剤師のサポートを行います。
一方、医療事務は病院やクリニック、健診センターなどで働きます。病院などで医師のカルテをもとに会計や保険請求を行います。患者さんのほか、医療スタッフと関わります。
調剤薬局事務と医療事務は必要となる知識にも違いがあります。調剤薬局事務のレセプト作成に必要な知識は、調剤・投薬など薬剤に限られます。
一方で、医療事務は診察、検査、処置、投薬など幅広い範囲となり、外来と入院でも計算方法が変わってきます。
調剤薬局事務は医療事務に比べると、必要な知識の範囲が狭く学習時間も少なくなるため、資格も取得しやすいと言えます。
働く場所 | レセプトの作成範囲 | 資格取得までの標準学習期間 | |
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調剤薬局事務 | 調剤薬局 | 調剤・投薬などの調剤報酬のみ | 3日~3ヵ月 |
医療事務 | 病院・クリニック | 診察・検査・投薬・レントゲンなど多岐に渡る | 1~4ヵ月 |
資格の取得もしやすくニーズもあることから、調剤薬局事務に興味がある人も多いのではないでしょうか。
ここでは、調剤薬局事務に向いている人を紹介しますので、自分に合いそうな仕事かどうかの参考にしてください。
●パソコンを使える人
メイン業務のひとつであるレセプト作成は、パソコンを使用して行われます。パソコンを使える人が向いているというよりは、必須のスキルと言っても良いでしょう。
パソコンスキルがすでにある人は問題ないですが、不安のある人はパソコンスキルも学べる講座を受講しておくと良いでしょう。
●コミュニケーションが得意な人
調剤薬局事務は事務職ではあるものの、接客業としての一面もあります。薬局で処方箋を受け取る際や会計の際に多くの人と接します。患者さんは体調が優れない人やけがをしている人もいますので、思いやりのある対応やコミュニケーションが求められます。
薬剤師との連携も必要ですので、コミュニケーションが得意な人は向いています。
●几帳面な人
調剤薬局事務は患者情報の入力やお金の計算や入力など、重要な記録作業や計算が多い仕事です。入力や計算には正確さが求められますので、几帳面な人は向いているでしょう。
几帳面さは医薬品の検品作業などにも向いています。
●体力に不安のない人
調剤薬局事務は事務職とはいえ、一般事務などのように長時間座っていることはなく、立ち仕事が多い職種です。
医薬品や備品などの入庫作業を行うこともありますので、ある程度は体力に自信がある人が向いているでしょう。
院外処方の促進により調剤薬局だけでなく、今やドラッグストアやショッピングセンターにも処方箋受付窓口が置かれるようになりました。また処方箋窓口の増加に合わせて受付時間も拡大され、休日や夜間を問わず営業する薬局も増えています。
このように調剤薬局事務は勤務場所・勤務時間ともに広がりを見せており、活躍の場が拡大しています。
調剤薬局の知識やスキルをあらかじめ身に付ければ、早くに仕事に慣れ活躍することができます。あなたも資格を取得して、ぜひ調剤薬局事務を目指してみてはいかがでしょうか。