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介護の3K その現状と環境を変える方法

3k

介護の仕事は「きつい」「きたない」「きけん」の「3K」と言われることがあります。
そのイメージから、介護業界への就職を避ける方やネガティブな気持ちで働いている方もいるかもしれません。

しかし、介護業界は本当に3Kなのでしょうか?

現状はどうなのでしょうか。
この記事では介護業界の3Kの実情と介護業界の職場環境を中心に見ていき、改善策や新たな3Kもご紹介していきます。

目次

介護の仕事の現状は3K?

一般的にごみ収集の仕事や土木作業などが3Kの職業といわれ、介護の仕事も3Kといわれることがあります。どのような点が3Kといわれる理由なのでしょうか。
まずは現状を見てみましょう。

きつい

介護の仕事は高齢者に身体介護や生活援助をする仕事です。身体介護では高齢者をベッドから車いすへ移乗させたり入浴の介助をするなど、高齢者を抱きかかえたり身体を支えたりする場面があり、体力を要します
負担を受けやすいのは腰で、実際に介護職の退職理由で「腰痛」をあげる方もいるようです。

また、入所施設で働く介護スタッフには夜勤もあります。日中に高齢者が通うデイサービスでは夜勤はありませんが、入所系の施設の場合は月に5回程度夜勤に入ります。夜勤のある職場の場合、慣れれば問題ないですが変則的な勤務で体調を崩してしまう方もなかにはいます。
介護業界は慢性的に人手不足ですので、多忙で休みが取りづらい職場もなかにはあります。

こうした肉体労働による体力的な負担や夜勤のある勤務体系、人手不足による忙しさが、「きつい」と言われる理由のようです。

きたない

生きていくのに当たり前の行為である食事や排せつの場面での介助も、介護スタッフが日々行う仕事です。

食事介助の場面では、食べ物や飲み物をこぼしてしまう方もいるでしょう。また、おむつ交換や排せつ介助では、排せつ物を目にすることは避けられません。ときには体調不良の方の嘔吐物の始末などをすることもあるでしょう。

介護の仕事をする限りは避けられないことであり、たいていの介護スタッフは慣れますが、そのような仕事を「きたない」と感じてしまう方もいるようです。

きけん

介護施設で働く場合、身体の抵抗力が弱くなっている高齢者が入所しています。ですので、ウイルス性胃腸炎やインフルエンザなどの病気の集団感染が起こるリスクがあります。介護スタッフは入所者に直接触れて介護をしますので、病気に感染するリスクが高いといえるでしょう。

また、大柄な方の介護の際などに、支えきれずにバランスを崩しケガをしてしまうことも起こり得ます。認知症の方の予期せぬ動きや暴力などでケガをすることもあり、それらが「きけん」と言われる理由となっています。

3K対策を考える介護職員イメージ最近では3Kに「給料が安い」を加えて「4K」と言われることもあります。 介護の3Kは、現状としてそのような側面があるといえるのです。

しかし、介護人材不足の問題が危機感を持って語られるなか、変えられる部分は変えていこうと、さまざまな対策・対応が考えられるようにもなっています

介護の仕事の3K。その対策は?

介護の仕事は3Kといわれる側面はありますが、感じ方は人それぞれで、3Kと思わずに生き生きと介護の仕事をしている方もたくさんいます

3Kと少なからず感じてしまう方でも、対策をしたり見方を変えることで、ぐっと働きやすくなります。

「きつい」への対策

体力的にきつかったり腰に負担を感じるときは、介護用ロボットやスライディングシート、リフトなどの補助アイテムを上手に活用すると良いでしょう。
日頃から体感のトレーニングを習慣にして、体力をつけておくこともおすすめです。

きついと感じる方のなかには、正しい介護方法を習得できていないこともあります。身体に負担をかけない正しい介護方法を習得・実践することで、負担を減らすことができます。
介護初心者向けの「初任者研修」という資格もありますので、その資格の学習をすることで知識と技術を習得できます。

夜勤がどうしても体力的につらいときは、夜勤を減らしてもらえるように職場へ相談してみても良いでしょう。
あるいは夜勤のない職場へ転職を考えてみるのもありです。介護の職場はデイサービスや訪問介護など、夜勤のない職場もたくさんあります

初任者研修についてくわしく知りたい方はこちら>>

「きたない」への対策

きたないと感じるかどうかは主観的な部分が大きいところです。排泄介助に最初は抵抗があってもすぐに慣れる方や仕事と割り切れる方は、何も感じることなく仕事としてこなすことができているようです。

どうしてもきたないと感じてしまい排泄介助が難しいという方は、介護業界で働くことを考え直してみても良いかもしれません。訪問介護の生活援助の仕事など、排泄介助がない職場もありますので、探してみるのも良いでしょう。

「きけん」への対策

感染症への対策は、日ごろから免疫力をアップさせておくことが大切です。休日にリフレッシュできる運動をしたり、身体に負担のない食生活を心がけましょう。

介護時にケガをする職員は介護経験が浅い方がほとんどですので、やはり正しい介護方法の習得と実践は大切です。

万一ケガや事故が起こってしまった場合のために、対処法などを施設内で共有しておくと良いでしょう。

ちなみに、労災の指標となる1年間の労働者1,000人あたりに発生した死傷者数(令和元年)の割合は社会福祉施設で2.39となっており、接客娯楽業は2.5、建設業は4.5です。
他産業と比較してみても、特に介護業界がきけんと言うことはなさそうです

参考:厚生労働省 労働災害統計
社会福祉施設で働くみなさま 労働災害の現状

介護業界の3K環境は変わってきています!

介護3Kをポジティブな気持ちで見ている介護職員 対策を見ても分かる通り、3Kは介護ロボットの使用や正しい介護スキルなどで変えられる部分もたくさんあります。
それだけでなく、働き方改革や処遇改善などの国の施策やそれぞれの介護事業所の努力もあり、介護の職場環境は年々改善してきています

働き方改革で労働環境が改善

2019年に働き方改革が施行され、残業時間には上限が設けられ有給休暇の消化も義務付けられました。これにより「忙しくて休みづらい」と言われていた介護業界の労働環境も、改善が進んできています。

国の方針で処遇が改善

高齢者の人口が増え続ける日本では、介護人材不足は緊急かつ大きな問題です。国でも介護人材を増やすために「特定処遇改善加算」を新設するなど処遇改善に力を入れており、介護スタッフの給料は年々上昇しています

2021年度の介護報酬改定でも前回に続きプラス改定になっており、介護職員の処遇改善のための加算を介護事業所が取りやすいような内容に変更されています。

進む衛生管理とリスク管理

近年の介護の現場では、使い捨ての簡易手袋の使用を決めているところがほとんどです。
さらに感染症の流行などもありアルコール消毒も徹底され、衛生管理はこれまでにないほど進んでいるといえます。

また、近年では介護事故のリスクを軽減するための福祉用具の導入やマニュアルの整備、スタッフの人数配置の見直しなどを行う事業所も多く、きけんと言われそうな状況も改善されてきています

このように、介護業界の3Kは最近では大きく改善されてきています。まだ改善の余地もありますので、今後もますます職場環境は整い、処遇も改善されると予想されます。

介護はやりがいも大きい仕事!介護業界の新3Kとは?

介護の現場で輝いている介護スタッフを見ると、とてもポジティブな気持ちで働いていることがわかります。介護の仕事は、実はやりがいを感じる場面も多いからです。

やりがいを感じながら働いている介護スタッフからは、ポジティブな「新3K」の声もあがっています。

例えば「感謝を分かち合える仕事」「心がつながる仕事」「感動できる仕事」の新3K「クリーン」「好奇心」「クリエイティブ」などの新3Kです。
これら新3Kはどのようなことを表すのでしょうか。

介護業界の3Kの変化

新3Kが表す介護のやりがい

介護の仕事は高齢者から「ありがとう」と感謝されることも多い仕事です。自宅で介護が難しくなった家族からも感謝されることがあります。
リハビリで心身の状態が良くなる瞬間に立ち会った瞬間には、一緒に喜び合い感動することもあります。

介護の仕事を通して人生の先輩である高齢者に関わり、たくさんのことを学ぶこともできます。人の最期のケアに携わることで、生きる意味を考える機会になるかもしれません。

「きつい」「きたない」と感じてしまいそうな場面でも、「頼られてやりがいがある!」と感じる介護スタッフもいます。「きけん」と思う環境を「自分が変えていきたい!」と思い、クリエイティブな思考で現場をより良くしていこうとする方もいます。

もちろん「介護の仕事はやっぱり大変そう」「介護の仕事がつらい」と感じる方もいるでしょう。介護の仕事をはじめていない方で、この記事を読んで「やっぱり合わなそう」と感じる方は、違う業界の仕事を探す方が良いかもしれません。

すでに介護の仕事をはじめている方で「きつい」と感じている方は、介護という仕事を辞めてしまうのではなく、まずはより良い介護事業所へ転職先を探してみましょう。
業界全体で職場環境の改善が進んでいますので、今よりも良い職場が見つかる可能性は高いです。自分に合ったより良い職場に出会えれば、心に余裕もできます。

介護業界は仕事にやりがいを感じることができ、人として成長できるチャンスがたくさんある業界です。介護業界に興味がある方で「これならできそう」と感じた方は、ぜひ介護業界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。

参考:静岡県「介護の仕事の魅力を発信」

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