ケア資格ナビ> 特集記事> 介護・福祉関連のコラム記事> 介護の離職率は改善! 他の仕事と比べて離職率はどうなの?
介護業界はこれまで慢性的に人材不足を引き起こしており、離職率の高い業種としてイメージを描いている人も多いと思います。
介護職員の離職率は介護労働安定センターの調べでは平成19年度、過去最高の21.6%を記録していますが、以降は低下傾向を見せ、令和2年度は過去最低の14.9%となりました。
全産業の離職率は、厚生労働省の令和2年雇用動向調査結果によると14.2%。
令和元年雇用動向調査結果による離職率が15.6%であったことを鑑みると、全産業の離職率と比較して近年は同等程度の水準になったことが伺えます。
介護職員の離職率はそれほど高くないのです。
参考:令和2年 雇用動向調査結果の概要 厚生労働省
:令和2年度「介護労働実態調査」結果の概要について 公益財団法人 介護労働安定センター
:令和元年 雇用動向調査結果の概要 厚生労働省
それでは介護職員の離職率が低下したのは、なぜなのでしょうか。
2つの理由をご紹介します。
厚生労働省の報告によると、将来的な高齢化による介護需要の高まりもあり、2040年度までに69万人の介護職員の増加を必要とする見込みが発表されています。
現状のままでは予定数に達する見込みがないため、新たに介護の資格を取得し、介護職員として就業した人への支援金や、介護の資格を所持し離職していた人が、介護職に再就職した際の支援金の支給を積極的に行っています。
また現職で介護職に従事している人には、「介護職員等特定処遇改善加算」などを設け、いま介護職員として働いている人が、介護職を継続することによって賃金が上がる仕組みにも取り組んでいます。
このような国からのサポートが受けられる職種は、ほかを見てもあまり目にすることはありません。
2020年には新型コロナウイルス感染症が拡大し、多くの人々の仕事が停滞していますが、そのような中でも介護職は変わらず必要とされ、求人も多く見られます。
介護職は、最初は無資格でも働きながら資格が取得できたり、現状にあった働き方ができたりするため、
「介護職の魅力を再確認し、離職を思いとどまった」
「介護職である限り仕事がある」
などとして、介護職を継続しているため離職率が低下したと推測されます。
それでも辞めてしまう人がいるのは…?
介護職でやりがいを持って働き始めた人の中には、途中で離職してしまう人もいます。
その理由としては次のようなものをあげることができます。
介護業界では転職をすると、新しい職場でも知っている人に出会うことが度々あります。仕事自体には問題はなく、人間関係が理由で辞してしまう人が少なくないからです。
さらに待遇の良いところへ転職する人もいるため、仕事内容は変えず、職場のみを変える人もいます。女性の多い職場なので、結婚・出産などで離職する人もいます。
このほか、介護職員の仕事は縁の下の力持ち的な仕事なので、入職はしたが自分には向いていなかったとする人もいます。
そんな介護業界では、いまもなお人材不足が続いているため、求人は数多く見受けられます。
前述したとおり、介護の仕事はこれからも必要とされる仕事です。今後、平均寿命の伸びも予測されているため、介護需要はこれからも高まり、介護職はさらに人材確保が必要となります。
いま、介護職が注目されている理由には、さまざまなものがあります。
介護職員は今後も継続して人材確保が必要なため、引き続き国による処遇改善が検討されると予測されています。
介護資格のない人が資格を取得したあとに、介護職員として就業した場合の支援金免除の要件についても、現状2年間勤続する制度を緩和することも検討されています。
介護施設や介護事業所においては、人材確保のため、就業前に見学をしてもらったり、残業なく必ず休みが取得できるようなシフトの組み方をしたりして、従業員ファーストの考え方に基づいて、新しい従業員を迎え入れるスタイルを作る努力をしているようです。
業務面では介護用の見守りセンサーなどの介護機器や、タブレットやスマホなどの導入を進める動きが見られます。介護記録などをデジタル化し、オンライン業務にも対応できるよう、ICT関連の機器を導入することで、さらなる介護業務の効率化を目指しています。
ICT導入補助金などの補助金制度も設けられているため、介護業界のICT化はこれからも推進されることでしょう。
介護職は無資格・未経験から始められる仕事です。将来へのキャリアパスが描けるようになっており、キャリアアップ制度が充実しています。
無資格から初任者研修→実務者研修→介護福祉士と資格を取得しても良いですし、実務者研修を修了し、サービス提供責任者となっても働けます。
介護福祉士を取得したあと一定の条件をクリアすれば、ケアマネージャーの資格も取得可能です。
2022年度からは、新事業として「介護助手」の人材確保も行われる予定となっていますので、今後は介護職員の負担減も予測されます。
介護職に就くことによって、生涯やりがいを持って働けるよう、国が重点的に介護職の待遇の改善に取り組んでいることや、不景気になっても仕事がなくならないことなどに着目すれば、介護職が注目の職種と言うことに、自ずとうなずけるかと思います。
介護福祉士がいま必要とされる理由をくわしく知りたい方はこちら>>
このようにいま注目の介護職ですので、これから新たに介護職に転職しようと考えている人は多いことと思います。
無資格・未経験からでも始められるので、無資格でも働ける求人はありますが、やはり資格を持っていると、グッと採用率が高まります。
介護の資格の種類はたくさんあります。
資格も持っていると、介護の知識や技術が高まり、自信を持って働くことができます。
など、自分の条件で資格を選ぶことができるのも介護の資格の魅力のひとつですので、資格や転職についてくわしく知りたい人は以下で確認してみてくださいね!