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高齢者とペット問題。飼い続けるためのサービス

Kourei Pet

昨今のペットブームにともない、単身者や高齢夫婦でもペットを飼う人が増えています。特に高齢者には、ペットを家族同然に思い、生きがいと感じている人も多くいることでしょう。
しかしその反面、高齢者ならではの問題も多くあるのが現状です。

高齢者がペットを飼うことの問題点

安易にペットを飼うことが社会問題にもなっています。体力の衰えからだんだん世話が負担になるといったことが、高齢者にはつきものです。一方で、エサの改良などにより、犬や猫は10年、20年と長生きするようになりました。そのため最後まできちんと面倒を見られるのか、よく考えないと飼育放棄になりかねません。
また、体力と共に衰えるのが記憶力です。特に認知症になってしまうと、エサをやったか忘れる、ペットの病気に気づかないということがあり、ペットの死亡原因になってしまいます。

飼い主が独居の高齢者の場合は、飼い主が施設に入ることでペットの世話をする人がいなくなり、最終的に保健所で引き取られ処分されてしまうこともあります。逆に、ペットが先に亡くなることで元気をなくしたり、ペットを大事にするあまり自分の健康問題が後回しになるなど、さまざまな問題があります。

ペットが高齢者に与えるよい影響

一方で、近頃では、特に高齢者がペットを飼うことのメリットが注目されています。アニマルセラピーという言葉もあり、動物が人間の健康によい効果を与えることがわかっています。健康寿命が長くなる、心臓病の進行抑制や血圧低下、認知能力低下の予防といった健康面での効果もあります。安心感やリラックス感から笑顔や発語が増えたり、ペットをなでることで手の拘縮が改善したりという機能回復の効果もあるそうです。
その他、日々生活を送る上での癒しになったり、世話をすることが生きがいとなることも。散歩へ行くために自然と外に出るなど、生活にハリが生まれます。ペットと共にいることで、家族の会話や近所付き合いが広がるなどコミュニケーションが増えます。

ペットを飼い続けるためは?

世話ができなくても、高齢になっても、大好きなペットと一緒に暮らしたい。そう思っている高齢者は少なくありません。そんな中で、利用者がペットと一緒に暮らせる高齢者向け施設はニーズが高まっています。ペットを世話するトリマー経験者やドッグトレーナー研修を受けた職員が配置されている施設もあります。 また、動物と暮らしたい人の入居フロアがあるなど、ペットを受け入れる体制が整っている施設もあります。ある施設では、利用者が亡くなった後もペットを施設で引き取り、最後まで世話をするそうです。
費用が気になる場合は、エサ代など実費のみが発生し、世話はボランティアで行う施設などを選ぶと良いでしょう。

今はまだ、高齢者向けの施設はペットと暮らすことのできないところがほとんどです。しかし高齢者によっては、世話ができないことや、一緒に住めないことが精神的なダメージとなり、体調の悪化につながってしまうこともあるといいます。
そういった問題に着目し、高齢者とそのペットを支える施設やサービスが少しずつ増えています。このような取り組みが、高齢者の豊かな暮らしにつながることが望まれます。

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