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ケア資格ナビ> 実務者研修ガイド> 実務者研修はどこがいい?失敗しないスクールの選び方。前提知識や比較ポイントを確認
実務者研修は未経験から管理職を目指す人におすすめの資格です。取得すると、訪問介護事業のリーダーといえる「サービス提供責任者」として活躍できます。また、3年の実務経験と実務者研修修了により、介護職の国家資格「介護福祉士」の受験資格を得られます。
実務者研修は複数のスクールで開講されているため、自分に合うスクールをどのように選んだらいいのか悩む方は多いかもしれません。
そこでここでは、実務者研修のスクールを選ぶ前に知っておきたいこと、スクールごとに異なるポイント、具体的な選び方を解説します。
実務者研修はさまざまなスクールで実施されていますが、スクールを選ぶ前に、実務者研修の講座について特徴を確認していきましょう。
実務者研修は、450時間のカリキュラムを受ける必要があります。無資格者の場合6カ月で修了できます。また、介護職の入門資格といえる「介護職員初任者研修(初任者研修)」を保有している場合は、受講を免除される科目があるため約4カ月で修了できます。
実務者研修を受講・修了するにはある程度の時間が必要です。しかし、無資格者や介護職未経験の方でも問題なく修了できるため、難易度は高くないといえるでしょう。スクールによって小テストが実施される場合もありますが、修了試験はなく、すべての科目を受講すれば取得できる可能性は高いでしょう。
受講資格については、16歳以上と年齢に条件があり未成年の場合は保護者の同意が必要なスクールもありますが、外国籍の方でも受講でき、学歴や性別も問いません。
以下の通り、実務者研修のカリキュラムは厚生労働省の指針によって定められているため、どのスクールでも学ぶ内容はほとんど変わりません。
科目(通信が可能な科目) | 時間 |
---|---|
人間の尊厳と自立 | 5時間 |
社会の理解 I | 5時間 |
社会の理解 II | 30時間 |
介護の基本 I | 10時間 |
介護の基本 II | 20時間 |
コミュニケーション技術 | 20時間 |
生活支援技術 I | 20時間 |
生活支援技術 II | 30時間 |
介護過程 I | 20時間 |
介護過程 II | 25時間 |
発達と老化の理解 I | 10時間 |
発達と老化の理解 II | 20時間 |
認知症の理解 I | 10時間 |
認知症の理解 II | 20時間 |
障害の理解 I | 10時間 |
障害の理解 II | 20時間 |
こころとからだのしくみ I | 20時間 |
こころとからだのしくみ II | 60時間 |
医療的ケア | 50時間 |
合計 | 405時間 |
なお、初任者研修の資格取得者は初任者研修で受講した130時間分の科目受講が免除されるため、その分早いペースで実務者研修を取得できます。
また、実務者研修には通信講座がありますが、無資格者の場合、通信講座を利用できる最大の時間は405時間分です。医療的ケアなど約57〜61時間分の科目は通学必須です。
実務者研修は、受講期間や難易度、学ぶ内容はスクールによる違いはほとんどありません。しかし、スクールの特徴があらわれるポイントがあります。ここでは、そのポイントを紹介します。
学ぶ内容は同じでも、実務者研修の受講費用は、スクールによって異なります。
無資格者の場合は10万円以上、初任者研修など資格を持っている場合は2万円程度から受講できるスクールもあります。
費用は、地域によっても異なりますが、早期申込の割引やペア割、介護職の方限定の割引など、キャンペーン内容にも違いがあります。
また、教育訓練給付金の対象になるスクールもあります。教育訓練給付制度は雇用の安定と就職の促進を目的とした制度で、一定の条件を満たしこの制度を利用できれば、10万円を上限に受講費用の20%を受給できます。ただし、すべての実務者研修が教育訓練給付制度の対象になっているわけではありません。対象になっているかどうかはスクールによって異なります。
スクールによって支払方法も異なります。実務者研修は無資格の場合10万円以上かかるため、受講費用を一括で支払うことに抵抗がある場合は、分割払いが可能かどうか支払方法も確認するとよいでしょう。
求職中の方の場合は、民間のスクールではなくハローワークの実務者研修で取得する方法もあります。
ハローワークの職業訓練には求職者支援制度という制度があり、資格試験を含む職業訓練を資金面で支援します。実務者研修もこの求職者支援制度の対象です。利用する場合は、以下の条件を満たす必要がありますが、1.5万円前後で実務者研修を受講できます。求職中の方はハローワークに確認してみるといいでしょう。
実務者研修は、働きながら取得することが可能なこともあり、さまざまなコースが用意されています。
実務者研修のカリキュラムには通学が必須となる科目がありますが、それ以外は通信学習が可能です。そのため、全科目通学するコースのほかに通信+通学のコース、通学講座の授業を土日にまとめて受けられるコース、夜間に開講されるコースなどがあり、スクールによりコース内容が異なります。
学習のサポート内容は、スクールの特徴が出る点です。例えば、以下のようなサポートがあります。
働きながら資格取得を目指す場合は、振替受講が容易にできると安心です。また、実務者研修は無資格の場合、最短で6カ月で取得できますが、受講期限も確認することをおすすめします。仕事のシフト変更や家族の事情などで思うように受講ができない可能性がある場合は、受講期間を延長できたり受講期限が長いスクールを選ぶとよいでしょう。
実務者研修の受講・修了は介護福祉士の受験資格です。そのため、介護福祉士の資格取得を前提としている場合は、介護福祉士の受験対策講座が割引になるスクールだとメリットを得られます。
では、具体的にどのようにして実務者研修のスクールを選べばいいのでしょうか。
実務者研修は、定められたカリキュラムを漏れなく受講しなければならないというルールがあります。そのため、無理なく受講・修了できるかどうかを基準に、スクールを選ぶことをおすすめします。その基準に従うと、主に以下のような点がチェックポイントになると考えられます。
ひとつずつ確認していきましょう。
実務者研修には、全てのカリキュラムを通学して学ぶ通学制と、一部を自宅で学ぶ通信+通学制があります。
通学制の場合はスクールの教室で学ぶため、疑問点はその場で質問し解決できるのが大きなメリットです。一方の通信+通学制は、全カリキュラムのうち約8割の科目を通信学習できるため、通学にかかる移動時間を大幅に削減できます。
1人で学ぶとモチベーションが保ちにくい方でも、通学制であれば仲間と共に楽しく学べるでしょう。通信+通学制であれば、家庭や仕事の事情で決まった曜日や時間帯に時間を確保しにくい方でも自分のペースで学べる科目が多くあります。
実務者研修を修了するために自分に合う受講形態を選んでください。
実務者研修は、約4〜6カ月の受講期間があるため自宅や勤務先などから通いやすいスクールであることは重要です。
また、実務者研修は必ず通学して学ばなければならない科目があります。通信制のコースを選んだ場合でもスクールの立地を考えて選びましょう。
振替受講について柔軟に対応してくれるスクールだと安心です。
例えば、振替受講の受付がWEB上で完結すれば、いつでもどこでも受講予約ができます。そのほか、振替受講が無料でできるのか、振替の回数に制限があるのか、いつもの受講教室とは別の教室で振替受講ができるのかなど、振替受講の制度はスクールごとに異なるため、重要な判断材料になるはずです。
全てのカリキュラムを漏れなく修了するために、振替受講の制度についてしっかり確認することをおすすめします。