ケア資格ナビ> 介護福祉士ガイド> 介護福祉士国家試験の実技試験が必要なのはどんな人?
※最安講座・最短期間はこのサイトで紹介している一例(直前対策講座・模擬試験を除く)であり、地域・コースによって差があります。
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介護福祉士資格を取得するルートには「実務経験ルート」「福祉系高校ルート」「養成施設ルート」があります。取得ルートによっては、筆記試験合格後に「実技試験」の受験が必要な場合があります。
実務経験ルート
実務経験が3年以上かつ「実務者研修」の修了が要件になります。「実技試験」は免除されます。
福祉系高校ルート
2009年以降入学者で新カリキュラムでの卒業者は、筆記試験合格後の「実技試験」は免除されますが、2008年以前入学者で旧カリキュラムでの卒業者および特例高校等の2009年以降入学者で介護技術講習を修了していない人は、筆記試験の合格後に「実技試験」が必須です。
養成施設ルート
養成施設を卒業すれば、「実技試験」を受験する必要がありません。
実技試験の内容は毎年異なりますが、介護の現場で実際に仕事ができるかどうか、実践的な能力を問う内容となっています。試験では、介護の現場で想定されるシチュエーションが問題として提示されます。提示された問題の状況に合った適切な介助を、制限時間5分以内で行うことが求められます。
例えば「麻痺がある要介護者を想定し、その人が望む体勢にすみやかに移動させる」や「着替えなどの作業補助を行う」などの内容の問題です。以下が過去の実技試験の問題になります。
■2013年3月に実施された「第25回実技試験問題」
坂田トシさん(85歳)は、右上下肢に麻痺があります。歩行器型杖で自室に戻る途中、右膝に痛みを感じたので、歩いて自室に戻るのは「不安だ」と言っています。
坂田さんが歩行器型杖から車いすに移乗し、自室のいすに座るまでの介助をして下さい。
車いすの点検は済んでいます。
坂田さんの返事は、「はい」または、うなずくだけです。
■2014年3月に実施された「第26回実技試験問題」
遠藤ミツさん(80歳)は、2カ月前に視力を失い、生活全般に一部介助を必要としています。遠藤さんは食事に行く準備を整え、身だしなみを気にしています。
居室の椅子に座っている遠藤さんを食堂まで歩行介助して下さい。そして遠藤さんが食卓についてスプーンを持つまでの介助をして下さい。本日の献立はカレーライスです。
遠藤さんの返事は、「はい」または、うなずくだけです。(モデルはアイマスクを着用しています。)
■2016年3月に実施された「第28回実技試験問題」
山田さん(85歳)は、右上下肢に麻痺があります。移乗は一部介助が必要です。車いすを使用して全介助で移動しています。
山田さんはテラスでレクリエーションを終えて、車いすに浅く座っています。山田さんは少し疲れたと言って、飲み物を希望しています。
途中にある段差を超えて食堂まで移動して下さい。そして椅子に移乗して、飲み物をすすめるまでの介助を行って下さい。
山田さんの返事は「はい」または、うなずくだけです。
実技試験は介護の3原則「安全・安楽」「個人の尊厳」「自立支援」に基づき、 以下の基本的なチェック項目に配慮し、与えられた課題の介助を展開していくことが求められます。制限時間内に必要な動作を行うことが重要となるので、時間配分を考えて行うようにしましょう。
介護福祉士の実技試験で心配なことは、予測される課題が多岐にわたることです。 しっかりと勉強していたにも関わらず、想定外の出題内容に戸惑ってしまった、あるいは極度に緊張してしまう性格で、普段なら問題なくクリアできる課題に対してうまくこなすことができなかった、などの問題が生じることも考えられます。
そのようなことがないように、自分の能力を発揮するためにもいろいろなケースの課題を想定し練習を積むことが大切です。繰り返し事例に取り組み、やってきたことに自信がつけば、おのずと試験時の緊張もほぐれるでしょう。