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ケア資格ナビ> サービス提供責任者ガイド
訪問介護事業所に配置されるサービス提供責任者。「責任者」と名付けられていることから重要な存在であることは想像できますが、実際にはどのような役割でどのような仕事をしているのでしょうか。
こちらの記事ではサービス提供責任者について、なるための要件や仕事内容、給料などをご紹介します。
サービス提供責任者とは、高齢者が訪問介護サービスを受ける際に調整業務を行う人のことで、訪問介護事業所に必置義務のある役職です。
訪問介護サービスを利用したい人が適切なサービスをスムーズに受けられるように、ケアマネージャーや訪問介護員と連絡を取り合い調整します。
具体的には、ケアマネージャーが作成したケアプランをもとにして訪問介護計画書を作成したり、高齢者やその家族へ説明をしたり、訪問介護員へ指示・指導などを行います。
サービス提供責任者は訪問介護事業所のリーダー的な役割を担う、欠かすことのできない存在です。
サービス提供責任者になるためには、実務者研修以上の資格が必須です。
以前は、介護職員初任者研修やホームヘルパー2級の有資格者も、条件付きでサービス提供責任者になることを認められていました。しかし現在は除外されているため、これから目指す人は実務者研修以上の資格を修了する必要があります。
サービス提供責任者になることのできる「実務者研修」と「介護福祉士」の資格の特徴を、それぞれ確認してみましょう。
ポイント | 講座資料 | |
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実務者研修 |
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介護福祉士 国家資格 |
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サービス提供責任者は、ケアマネージャーや介護サービスの利用者とその家族、訪問介護員の間に入り、パイプ役にもなる存在です。
具体的な仕事内容をひとつひとつ確認してみましょう。
サービス提供責任者は、以下の場所で活躍しています。
サービス提供責任者の職場はお伝えしているように、基本的には訪問介護事業所になります。
有料老人ホームなどと併設して訪問介護事業所を設けている場合もあり、そのような施設では、ケアマネージャーや介護職員だけでなく、たとえば看護師、調理師、受付といったさまざまな職種のスタッフと関わることもあります。
サービス提供責任者は利用者数が40人につき1人以上、常勤で配置することが義務付けられています。しかし下記の条件を満たす場合には利用者数が50人につき1人以上の常勤配置の特例が適用されます。
厚生労働省の資料を見ると、サービス提供責任者の2020年の平均月給は320,510円となっています。この月給は賞与や手当なども含まれていますので、年収換算すると3,846,120円となります。
サービス提供責任者以外の訪問介護事業所で働く人の平均月収が283,220円、年収にすると3,398,640円ですので、年収で40万円以上変わることがわかります。
平均月給 | 平均勤続年数 | |
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サービス提供責任者 | 320,510円 | 8.7年 |
サービス提供責任者でない職員 | 283,220円 | 6.1年 |
参考:厚生労働省 令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果 145ページ
訪問介護事業所の要であるサービス提供責任者には、どんな人が向いているのか確認してみましょう。
サービス提供責任者は、ケアマネージャーや利用者とその家族、訪問介護員の間に入り、多くのコミュニケーションを取ります。
希望するサービスが適切に実施されるには、ヒアリングや打合せも重要です。そのため、コミュニケーションが得意な人は向いているといえるでしょう。
サービス提供責任者は、利用者の希望はもちろん関係者や訪問介護員の立場も尊重できるような、一歩引いて客観的に全体を見渡せる能力があると適任です。
サービス提供責任者は訪問介護員のスケジュール管理だけでなく、訪問介護員の得意分野と利用者の求めているサービスが合致するよう、担当者を決めていきます。このような業務にはマネジメントスキルのほか客観性も求められます。
サービス提供責任者にはチームワークを構築していくリーダーシップがあると良いでしょう。
サービス提供責任者は訪問介護員のまとめ役でもあります。定期的に情報共有を行ってお互いの意識を高めたり、サービスの質を向上させるにはどうすればよいかを話し合ったりします。
全員が能力を発揮できるよう働きかけるようなリーダーシップがある人は、サービス提供責任者に適任といえるでしょう。
* 「ケアマネージャー」の表記について:厚労省や地方自治体による文書では「ケアマネジャー」が正式な表記とされていますが、当サイトでは、現在一般的に使用されていることから「ケアマネージャー」を使用しております。