ケア資格ナビ> 心理カウンセラーガイド
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更新日:2023年4月17日
心理カウンセラーとは、心に悩みを抱える人にカウンセリングを行い、その悩みが解決できるように導くメンタルケアの専門家です。
相談者の話に耳を傾けながら質問したり要約することで、相談者自身が問題を整理し解決できるようサポートします。
心理カウンセラーというと、その名前の資格を取得して仕事をしていると想像しがちですが、現状では「心理カウンセラー」という名称の国家資格はありません。
心理カウンセリングをする人の総称、または各団体の認定資格として心理カウンセラーという言葉が使われています。
将来の不安や、仕事の悩みなどストレスを抱えることが多い社会において、需要は拡大しています。
心理カウンセラーは心に悩みやストレス、病を抱えている人にカウンセリングを行います。ケースによっては心理テストや行動療法、精神分析療法などを行い、心のトラブルが解決できるように導きます。
ときには悩みの原因となる、相談者の周辺の人間関係や環境を整えられるようにサポートすることもあります。
人の悩みは、仕事での悩みや、家族・友人といった人間関係の悩みなど多岐にわたります。そのため、活躍の場は幅広くあり、どこで働くかによって具体的な仕事内容は異なります。
心理カウンセラーは、医療機関、教育機関、一般企業など心のサポートが必要な人がいるさまざまな業界で活躍しています。活躍の場により仕事内容にも特徴がありますので、それぞれ見てみましょう。
おもに病院の心療内科や精神科、メンタルクリニックで働きます。
医師と連携しながら心の病を抱えた患者さんやその家族から話を聞きます。カウンセリングのほか心理療法を行うこともあります。
小中学校などの教育機関でスクールカウンセラーとして働きます。
学校内の相談室で児童や生徒の相談に乗り、教師と連携しながらサポートします。ときには保護者や教職員の相談に乗り、カウンセリングを行うこともあります。
一般企業の相談室などで働きます。働いている人のこころの悩みを受け付けるケースのほか、産業カウンセラーとしてキャリアの相談にのるケースがあります。
メンタルヘルスについてのセミナーなどを行うこともあります。
経験を積んだあとに自分でカウンセリングルームを開いたり、電話やメール、SNSやWeb会議ツールなどで相談を受け付けるカウンセラーもいます。
そのほか介護施設、地域の相談センター、児童相談所、司法の場など、カウンセラーとして活躍できる場は幅広くあります。
ときには災害や事件に遭遇した人々のカウンセリングを行うこともあります。過去には被災地で、ボランティアとして多くのカウンセラーが活躍しました。
心理カウンセラーの年収は350万~460万円ほどの人が多いようです。活躍の場は幅広く、どのような職場で働くかによって待遇や年収も変わってきます。
メンタルクリニックなどの医療機関で働く人は440万円程度、スクールカウンセラーは360万円程度、大学院を卒業し臨床心理士の資格を持っている人は年収430万円程度の人が多いようです。
独立開業する場合は、おこづかい程度の収入の人から、人気となり1000万円超えの人までさまざまです。
心理カウンセラーになるために、資格は必須ではありません。
ただし、仕事としてカウンセリングするには一定の知識が必要であるため求人では資格を求められることも多く、心理カウンセラーとして活躍するには、心理学やカウンセリングの知識やスキルが必要で、それらを習得するために心理系資格を取得するのが一般的です。
心理カウンセラーの資格を取得するには、以下のようなルートがあります。
大学や大学院で資格取得に必要な心理系科目を履修することで、「臨床心理士」や「公認心理師」の資格試験を受験できるようになります。
資格を取得した後に就職し、心理カウンセラーとして活躍します。
民間スクールや独学で、心理カウンセラーとして活躍するための知識やスキルを学び、資格を取得します。
民間資格を取得した後は、ボランティアや非常勤などで経験を積みます。経験を積んだ後は心理カウンセラーとして独立開業をする人も多くいます。
心理カウンセラーの資格には、国家資格として公認心理師があります。そのほかの資格は民間資格となりますが、臨床心理士のように大学・大学院の卒業が必要なものと、特に取得の条件がないものがあります。
資格の種類 | 資格名称 | 取得要件 | 難易度 |
---|---|---|---|
国家資格 | 公認心理師 | 大学・大学院の卒業 | 高 |
民間資格 |
|
大学・大学院の卒業 | 中~高 |
民間資格 |
|
規定なし | 低~中 |
公認心理師は国家資格として2018年に初めての試験が行われ、注目されている資格です。現状、心理系資格の国家資格は公認心理師のみです。 大学・大学院で心理系科目を学ぶ必要があるため、取得のハードルがやや高い資格です。
知名度の高い臨床心理士や認定心理士は民間資格です。国家資格と同じく大学や大学院で心理系科目を学ぶ必要があります。
民間資格には大学院卒業などの要件はなく、民間スクールで取得できる資格もたくさんあります。こちらの資格はどなたでも目指すことができます。
民間スクールの資格は、基本的な知識を短期間で学べるものから、国家資格なみの履修時間でプロのカウンセラーを目指すものまであります。自分の必要とする分野を選んで学ぶことも可能です。難易度も低めのものから高めの資格まで幅広くあります。
数多くある心理カウンセラー資格を、こちらで目的別に紹介していきます。以下で紹介する資格は、大学・大学院で学ぶ必要のある資格以外はどなたでも目指せる資格です。資格を選ぶ際の参考にしてください。
講座ではカウンセリングの基本技法から精神解剖生理学、精神医科学などを学びます。正しい心理カウンセリングや心理療法ができるようになります。
取得方法 | 指定の講座を修了し、文部科学省後援のこころ検定(R)2級に合格後、メンタルケア心理士資格登録を行うことで資格が授与されます。 正答率70%以上で合格です。 |
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標準学習期間 | 4ヶ月 |
認定団体 | メンタルケア学術学会、生涯学習開発財団、ヘルスケア産業推進財団 |
講座ではカウンセリングの基礎知識、クライエントに関する基礎知識、心理学に関する基礎知識、精神医学の基礎知識を学びます。悩める人をサポートできるようなカウンセリング能力があることを証明する資格です。
取得方法 | 認定講座を修了後に在宅で受験します。 得点率70%以上で合格となります。 |
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標準学習期間 | 2ヶ月 |
認定団体 | 日本能力開発推進協会 |
試験ではカウンセリングの理念や実践、心理学、心理療法、精神医学、心身医学、メンタルヘルスについて問われます。未経験からでも心理カウンセラーとして活躍できるスキルが身に付きます。
取得方法 | 養成講座を修了するか、大学の心理学部またはそれに隣接する学部を卒業している人が試験を受験できます。 |
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標準学習期間 | 2~4カ月 |
認定団体 | 日本推進カウンセラー協会 |
養成講座の受講で、心理療法や理論のほか現場ですぐに活躍できる知識と技術を身に付けることができます。受講資格は18歳以上になります。
取得方法 | 指定の養成講座を修了後、審査によりカウンセラー認定資格を得られます。 |
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標準学習期間 | 54時間 |
認定団体 | 日本応用カウンセリング審議会 |
カウンセリングの実践重視のカリキュラムを学び、臨床心理士とは異なった特徴や強みをいかしながらカウンセラーとして活躍できる資格です。
専門知識を一通り取得できる『一般』レベルと、国家資格並みの『上級』レベルの2段階に分かれています。
取得方法 | 認定教育機関で必要なカリキュラムを修了後、試験に合格する必要があります。 |
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標準学習期間 | 一般レベル242時間、上級レベル1280時間 |
認定団体 | 全国心理業連合会(全心連) |
心理学を身近な学問として学ぶことができる、入門レベルの資格です。自分のメンタルコントロールやコミュニケーション円滑化などに役立ちます。
取得方法 | 講座を受講し4回の添削課題を一定レベルでクリアすると、資格を取得できます。 |
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標準学習期間 | 3ヶ月 |
認定団体 | メンタルケア学術学会 |
自分や相手の心理を学ぶことから始まり、コミュニケーション能力やリーダーシップ能力を向上させる方法など、自分のパフォーマンスアップや目標達成につながるノウハウを学べます。
上位資格としてNLPマスタープラクティショナーがあります。
取得方法 | NLPの講座修了後に資格申請をすることで認定資格が得られます。 |
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標準学習期間 | 通学例:420分×8回 / 56時間(講座により学習時間が異なります) |
認定団体 | 米国NLP協会、日本NLP協会 |
メンタルヘルスの基礎知識からカウンセリング手法、心理療法まで、メンタルヘルスケアのノウハウを学べます。
資格を取得することで、企業において働く人のカウンセリングや心の病で離職した人の復職支援などができるようになります。
取得方法 | 認定カリキュラムを修了後、EAPメンタルヘルスカウンセラー資格認定試験に合格し、認定団体に入会すると資格を取得できます。 |
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標準学習期間 | 全42回105時間相当 |
認定団体 | EAPメンタルヘルスカウンセリング協会 |
働く人たちの心の不調を未然に防いだり、活力のある職場づくりのためのメンタルヘルスケアを行うことのできる資格です。
職場内での役割に応じて、必要なケアや対処方法を身に付けられます。
の内容です。
取得方法 | 試験を受験し合格することで取得できます。 |
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標準学習期間 | Ⅰ種32時間、Ⅱ種24時間、Ⅲ種16時間 |
認定団体 | 大阪商工会議所 |
こちらは心理系資格ではありませんが、2016年に国家資格となった資格です。相談者の適正や関心事項などを分析して、職業選択や能力開発、能力向上ができるよう相談や助言を行います。
心理系資格と併せ持つことで、活躍の場が広がります。
取得方法 | 厚生労働省が認定する講習を修了するなどの受験資格を満たし、国家試験に合格する必要があります。 合格後にキャリアコンサルタント名簿に登録することでその名を名乗ることができます。 |
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標準学習期間 | 講習は150時間 |
認定団体 | 日本キャリア開発協会、キャリアコンサルティング協議会 |
働く人のメンタルヘルス対策やキャリア開発をサポートするための知識などを身に付けられます。
メンタルヘルスやキャリア・カウンセリング、人間関係開発などの専門的な知識と技能、傾聴のスキルを習得できます。
取得方法 | 協会が行う養成講座を修了または大学院において指定の科目の単位を取得するなど、受験要件を満たして試験を受験します。 合格後に協会に登録すると産業カウンセラーとして活動できます。 |
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標準学習期間 | 養成講座 通学116時間・Web講義32時間・テスト13時間・課題28時間相当 |
認定団体 | 日本産業カウンセラー協会 |
以下の資格は大学や大学院などで心理等の専門科目を学ぶことで受験資格を得られます。学校や医療機関で活躍している人の多くは、以下の資格を持っています。
※当サイトで資料請求できる資格以外も含まれます。
心理系の資格は数年前まで、臨床心理士をはじめ民間資格しかありませんでした。メンタルヘルスケアが注目される昨今のニーズに合わせ、心理系の資格としてはじめての国家資格「公認心理師」が2017年に創設されました。
公認心理師は臨床心理士と同じく「医療・教育・産業・福祉・司法」の分野で活躍できます。学校のスクールカウンセラーや民間企業、医療機関のカウンセラーなどで活躍できますが、将来的には、医療機関のカウンセラーは公認心理師の取得を求められることが見込まれています。
心理カウンセラーの資格は、独学で取得できる資格とできない資格があります。
例えば臨床心理士や国家資格の公認心理師は、基本的に大学と大学院で心理学を学ぶことが試験を受ける条件になっていますので、自分で教材を揃えて学ぶだけでは取得することはできません。
また、指定の講座の修了が受験条件になっている民間スクールの資格も、テキスト購入のみの独学で取得することはできません。
心理系資格の中には、基礎的なものや特定の分野に特化した知識を学べるものもあり、そのような資格は公式テキストを手に入れ学習すれば独学で合格も可能です。
また、民間スクールの講座には通信講座も多数あり、自宅で自分のペースで学ぶこともできます。
ただし独学でも取得可能な資格は、合格しても相談者をカウンセリングするにはスキルが不十分なこともあります。
悩んでいる人を直接サポートしたい人は、カウンセリングスキルを学べるスクール講座の受講がおすすめです。スクールの講座で学べば、実践的なスキルを身に付けることができます。
まずは基礎的な資格を取得し、段階を踏んで上級資格を目指すことで、カウンセラーとしてのスキルを上げていくのも良いでしょう。
大学や大学院を卒業するのはハードルが高いため、民間スクールに通って資格を目指す人もたくさんいます。
スクールの心理カウンセラー資格とはどのようなものなのか、こちらで特徴を確認してみましょう。
スクールの講座の中には最短2カ月で心理カウンセラー資格の取得を目指せるものもあります。短期間の講座でも
などがあります。
スクール講座には通信学習のみで取得ができる資格もあります。通信学習なら自分の好きな時間に自宅で学習を進めることができますので、働きながらでも子育て中でも、無理なく資格取得を目指せます。
通学講座には開催日が休日のみの講座などもあり、ライフスタイルに合わせた講座を選ぶこともできます。
ほとんどのスクール講座には受講要件はなく、どなたでも受講することができます。
心理学に興味があり学んでみたいという人からビジネスや私生活にいかしたい人、カウンセリングルームを開業したいという人まで、さまざまな人が学んでいます。
心理カウンセラーの資格は、講座を受講後に認定されるものと、受講後に試験を受けて取得するものがあります。
各認定団体により受講資格やカリキュラムが異なりますので、資料などで詳細を確認し自分の目的と合う資格を取得しましょう。
ほとんどのスクール講座では受講資格がありません。
コースによって異なりますが、通信の場合2~6カ月、通学の場合1~6カ月程度です。
通学講座と通信講座、「通学+通信」併用講座があります。
通学講座ではロールプレイングなどで実践的に学ぶことができ、通信では自宅の好きな時間に自分のペースで学習を進められます。
心理カウンセラーが心の問題を解決に導くには、相談者との信頼関係も大切です。
信頼関係は、知識やスキルだけではない心理カウンセラー自身が持つ包容力や誠実さのような資質によって、どのように築いていけるかが変わることもあります。
以下、心理カウンセラーに向いている人を確認してみましょう。
カウンセリングは、相談者の話を聞くことからはじまります。話を聞くのが好きな人、誠実に向き合って話を聞ける人、聞き上手な人は向いているでしょう。
相談者は、ストレスや辛さを抱えて相談しに来ます。辛い経験や苦労したことがある人は相談者に共感できることも多く、気持ちを理解しやすくなります。
総合的な判断をする際にも、自信の過去の経験が役に立ちます。
相談者に共感し受け入れることは大切ですが、相談者と距離を保つことも大切です。
あまりに共感しすぎて心理カウンセラー自身が感情的になってしまうと、継続してサポートするのがつらくなってしまいます。一定の距離感を保ち、気持ちの切り替えが上手な人は向いているでしょう。
現代の日本では、仕事のストレスや対人関係などで心が病んでしまう人も多く、精神性の疾患を抱える人は年々増加傾向です。
職場で心を病む人が増えていることから、従業員数50人以上の事業所ではメンタルヘルス対策のために、ストレスチェックの実施も義務化されています。
リモートワークなどの普及・SNSで多くの人と繋がる環境など、私たちの生活環境はより複雑になりました。さまざまなストレスを受ける可能性のある現代において、心理カウンセラーの需要はますます高まっています。
欧米ではストレスを感じると心理カウンセラーに話をしに行くことは、特別なことではありませんが、日本では敷居が高いと感じる人が少なくありません。
しかし最近ではSNSなどの利用でカウンセラーへ相談するハードルは下がっており、今後はますますカウンセリングの利用者が増えていくと見込まれています。話をしたいと思う人は増えており、心理カウンセラーは将来的にも需要が高いといえるでしょう。
将来性のある心理カウンセラーですが、現状は非常勤も多く地位は確立途上です。 世の中のニーズは高まっていることから、今後は徐々に 待遇向上も期待できるといえるでしょう。