ケア資格ナビ> 介護職員初任者研修ガイド
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更新日:2023年5月9日
介護職員初任者研修は、以前にあった「ホームヘルパー2級」に相当する資格で、入浴・食事の介助などを含む介護職員として働く際に必要な基礎的な知識や技術を身に付けられる入門資格です。
他資格の有無や学歴などの受講要件もなく最短1カ月で取得が可能のため、介護資格の中でもっとも取得しやすい資格です。
また、初任者研修の資格は一度取得すれば全国どこでも通用し、資格手当をもらえる可能性もあり、就職先に困ることもなく、介護職員として十分に活躍ができます。さらに、介護福祉士・ケアマネージャーなど上位の資格取得の道も開けます。
・介護業界を目指す方
・初心者の方
にオススメです。
2013年4月1日の介護保険法施行規則改正により、「ホームヘルパー2級」は「介護職員初任者研修」に変わりました。変更された点は以下の通りです。
初任者研修 | ホームヘルパー2級 | |
---|---|---|
施設実習 | なし | あり |
修了試験 | あり | なし |
「認知症ケア」の科目 | あり | なし |
研修内容 | どの介護事業所でも活躍できることを想定 | 訪問介護を想定 |
初任者研修のカリキュラムは、ホームヘルパー2級にあった施設実習がなくなり、代わりにスクーリング(通学)の時間が増えています。
ホームヘルパー2級にはなかった修了試験がありますが、試験は受講内容の確認レベルのもので、ほとんどの方がクリアできる試験です。
昨今の認知症患者の増加を反映して、「認知症ケア」の科目も追加されています。
ホームヘルパー2級が訪問介護を行うことを想定していたのに対し、初任者研修は訪問でも施設でも働けることを想定した内容になっています。
初任者研修所持者と無資格の大きな違いは、身体介護ができるかどうかです。
身体介護は要介護者の身体に触れて行う介護で、食事・入浴・排泄の介助などがあります。
初任者研修を所持していれば基本的に行うことができます。
無資格者の場合、介護施設であれば可能で、訪問介護事業所では行えません。介護施設の場合でも事業所によっては任せてもらえない場合もあります。
身体介護は介護業務の重要な仕事の1つであるため、次項のメリットで記載している通り無資格と初任者研修所持者の間では採用面や待遇などに差が発生します。
その他の、清掃や洗濯といった「生活援助」や、請求業務・来客対応などの「事務系業務」、送迎業務などは、無資格でも行うことができます。
無資格 | 初任者研修 | |
---|---|---|
身体介護 | 一部のみ | 〇 |
生活援助 | 〇 | 〇 |
事務作業・送迎業務など | 〇 | 〇 |
初任者研修は取得しやすい入門資格でありながら、メリットもたくさんあります。
初任者研修取得を考えている方は、4つのメリットをぜひ確認ください。
介護施設に就職する時、必ずしも介護資格は必須ではありませんが、介護の業務は要介護者の生活をサポートする仕事のため専門的な知識は必要です。
そのため、初任者研修以上の有資格者を採用条件としている職場も少なくありません。条件が無い場合でも、人気の求人であれば、資格を所持していないと採用されない可能性もあります。
未経験でも資格があれば知識が保証され採用されやすくなりますが、無資格者の場合は知識がないと仕事になれるまで時間を要し、働きながら取得が必要になり、忙しくなる可能性もあります。
取得しやすく、就職・転職に直結する資格ですので、介護業界未経験者であれば早めに取得を目指したほうがよいでしょう。
介護職員の給与は夜勤の有無や雇用形態によって幅がありますが、資格があるかどうかによっても変わります。
初任者研修の資格を持っていると資格手当が支給されることもあり、無資格者よりも給与が優遇されます。
パートの時給も、初任者研修保持者が無資格者より50円以上高く設定されている職場もあります。
介護職員初任者研修 | (平均月給)300,510円 | (勤続年数)8.1年 |
---|---|---|
介護職員(無資格) | (平均月給)271,260円 | (勤続年数)5.2年 |
参考:厚生労働省 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要
初任者研修は、介護のキャリアパスにおけるスタート資格として位置づけられています。
キャリアパスとは、介護職員が目標を持ちながら長く働き続けられるように、国が提示したキャリアアップの道筋のことです。 「初任者研修→実務者研修→介護福祉士」のように、段階的に資格を取得してゆくことで、自然とキャリアアップを目指せる仕組みになっています。
資格を持ち実務経験を積むことで、リーダーや管理職などを目指すことができます。 仕事に対するモチベーションを保つことができ、頑張りに応じて確実に給料も上がっていきます。
訪問ヘルパーとして働くには、初任者研修以上の介護資格が必須です。
初任者研修は介護資格の中でもっとも短期間で取得できる資格ですので、訪問ヘルパーとして働きたい方は初任者研修の取得が訪問ヘルパーになる最短ルートになります。
高齢化が進み施設入所への待機人数も多いなか、在宅介護の需要は高まっています。国でも住み慣れた地域や自宅で長く暮らせる体制を推進していることから、訪問ヘルパーはとても求められている職種です。
初任者研修 | 実務者研修 | |
---|---|---|
研修時間 | 130時間 | 450時間(無資格者) |
介護福祉士の受験資格 | ならない | なる |
学習内容 | 基礎的な内容 | 専門的な内容もあり |
費用 | 3~8万円程度 | 10~20万円台(無資格者) |
初任者研修は最短1カ月で取得が可能ですが、実務者研修は介護の基礎から専門的な知識まで学ぶため、研修時間は無資格者の場合で約6カ月です。
また介護福祉士国家試験を受験する場合は、3年以上の実務経験とともに実務者研修の修了が必要です。
ただし、初任者研修を取得した人が実務者研修を受講する際には初任者研修で学習した130時間分は免除されます。その分、実務者研修の受講料も安くなります。
介護福祉士を目指す方で、いきなり450時間の受講に抵抗がある人は第一歩として初任者研修を取得してから実務者研修を取得することで、スムーズに介護福祉士を目指せます。
また介護業務の経験がなく無資格の方の場合は、初任者研修から取得することで、スムーズに介護職員として活躍することが期待できます。
初任者研修はスクールが開催している講座を受講し、全課程修了後に実施される修了評価に合格すれば資格を取得できます。
講座は「通学+通信」スタイルが主流です。実際に体を動かしながら学ぶ研修もあるため、15~17日の通学は必須となっています。
受講資格 | どなたでも受講できます |
---|---|
開講時期 | 毎月開講 *日程はスクールによって異なります。 |
受講期間 | 通信・通学併用講座:1~4ヵ月程度 通学講座:1~2ヵ月程度 *週に通える日数により異なります。 |
多くのスクールでは、働いている方でも通いやすいコースを用意しているため、働きながら取得することは十分可能です。
ただし、通学に割ける時間が限られてきますので、取得期間は週2日通う場合は約2カ月、週1回通う場合は4カ月とやや時間はかかります。
通信学習の課題は、受講期間内に計画的に進める必要があります。
上記の時間を目安に学習を進めると、必要な科目を修了できる計算になります。
「人の尊厳や権利」をはじめとする介護の理念や、安全で適切な介護を行うための知識と技術を学びます。
初任者研修のカリキュラムは厚生労働省の「介護員養成研修の取扱細則について」にて定められているため、どのスクールでも同じです。
カリキュラムは介護の知識を養う「講義」のほか、実際に身体を動かしながら技術を学ぶ「演習」で構成されています。
科目は全部で10科目あり、科目ごとの上限を超えない範囲で、最大合計40.5時間まで通信学習で学ぶことができます。
項目 | 学習時間 | 通信学習可能な上限時間 |
---|---|---|
1. 職務の理解 | 6時間 | ― |
2. 介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 | 7.5時間 |
3. 介護の基本 | 6時間 | 3時間 |
4. 介護・福祉サービスの理解と医療の連携 | 9時間 | 7.5時間 |
5. 介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 | 3時間 |
6. 老化の理解 | 6時間 | 3時間 |
7. 認知症の理解 | 6時間 | 3時間 |
8. 障害の理解 | 3時間 | 1.5時間 |
9. こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 | 12時間 |
10. 振り返り | 4時間 | ― |
合計 | 130時間 | 40.5時間 |
全課程修了後に1時間の修了評価が行われ、介護をするために必要な知識と技術が習得できているかを確認します。それぞれのスクールが独自の試験を行いますので、試験問題はスクールにより異なります。
出題範囲は32科目のすべてから各1題以上となっており、選択式・記述式どちらも含まれます。初任者研修には実技の授業もありますが、修了評価は筆記試験のみとなっています。
初任者研修のカリキュラムは決められていますので、スクールで学ぶ内容は基本的にはどこも同じです。
そのため、講座内容以外の部分を比較検討することになります。
様々なスクールの特徴を比べるのは大変ですが、当ページではスクール情報を一覧で比較したり、一括資料請求をして選ぶことが可能です。
ここではスクールを選ぶ際に注目すべきポイントについてご紹介します。
初任者研修のカリキュラムは、基本的に漏れなく受講しなければなりません。欠席をした場合は振替・補講等を受けなければなりません。
そのため、以下の点を踏まえて無理なく受講できるスクールを選びましょう。
初任者研修は数ある介護資格の中で、特に通学日数が多い資格です。日にちにして15~17日ほど通学することになりますので、通いやすさは重要なポイントです。自宅や職場から通いやすいか、車で行けるかなど立地を確認して選びましょう。
開講日程や開講コースはスクールによって変わってきます。早く取得したい人は、受講期間が短いスクールを選びましょう。
働きながら取得する方は、自分の通える曜日に講座が開講されているか、土日コースがあるかなども選ぶポイントになります。
仕事や急用などでやむを得ず欠席をすることもあるかもしれません。振替がしやすいか、振替・補講授業が無料か有料か、回数制限はあるかなども確認しておきましょう。
受講費用は立地やスクールのサポート制度、キャンペーンなどによって変わります。単純に費用が高いか安いかのみを比較するのではなく、費用の違いの理由は何かを確認すると良いでしょう。
初任者研修の費用は3万円前後~8万円程度となりますが、一見高額そうなスクールでも修了後にスクールの関連施設や紹介施設に就職するなどの条件が合えば、キャッシュバックされて実質0円になることもあります。
安いスクールでも振替・補講を受ける際に別途追加費用がかかる場合もありますので、複数の資料を並べてそれぞれの違いを比較し、検討すると良いでしょう。
初任者研修は、一般教育訓練給付金制度や助成金などの国や自治体の制度を利用することで、費用を安くできることがあります。制度の利用によりスクールに支払った費用の一部をハローワークや自治体から受け取ることができる場合がありますので、補助が使えるかどうかを確認しておくと良いでしょう。
ケア資格ナビでは教育訓練給付金の対象講座を一覧で確認できます。
一覧比較で都道府県を選択後に表示される欄に給付アイコンがある、または「給付金」と書いてある講座が対象です。
一般教育訓練給付金制度とは雇用保険の給付金制度です。現在、または過去に雇用保険に加入していた方のうち、条件を満たす方が対象となります。上記の方が指定の講座を受講・修了した場合、ハローワークより受講費用の20%~40%を受け取ることができます。
助成金は、指定の講座を受講・修了しかつ条件を満たした方が申請することにより、受講料の半額や10万円など一定額を、都道府県や市町村から受け取れる制度です。
多くのスクールでは就職支援を行っています。
スクールと関わりのある介護事業所に就職できたり、地域の介護事業所とのつながりで就職できるスクールもあります。
先々の就職を考えてスクールを選ぶと、資格取得後にスムーズに働きだすことができるでしょう。
就職実績を確認しておくこともおすすめです。
なかには、受講料キャッシュバックキャンペーンという制度があり、スクールが指定する事業所に就職すると、受講費用が還元される場合もあります。資料などに記載されている適用条件を確認するとよいでしょう。
初任者研修の修了後に活躍できる場所としては、介護施設や訪問介護事業所など、多様なサービス形態の事業所が考えられます。
訪問介護事業所に就職した場合は、介護サービス利用者の自宅で介護の仕事をすることになります。
介護事業所のほかには、病院で医師や看護師の指示の下で患者さんの身体介助を行う介護職員もいます。介護タクシードライバーはリタイア後の再就職先として、おもに男性に注目されている職種です。
日本では高齢化が進み、介護業界はますます人手不足が加速すると予想され、2040年までには介護職員を現在よりも69万人増やす必要があるといわれています。
資格がなくても就職しやすいと考える方も多いと思いますが、多くの事業所が求めているのは一定の知識を得た有資格者です。
初任者研修を取得していれば、就職に困ることはなく、自身の希望条件に合った職場を選ぶことが可能になります。
介護職員の業務でイメージされやすい「要介護者の身体を持ち上げるなどの身体介護」は、介護職員側に力があまりなくても行えるよう、さまざまな技術があります。
そのため、介護業界で働く方のメイン層は施設で30~40代、訪問ヘルパーで50~60代で、40代以降から介護職員として働き始める方も多くいます。
正社員を定年後にパートなどで働き続けている方もたくさんいます。40代・50代の方も異業種からの転職や子育てがひと段落した後に介護業界で再スタートも切りやすく、長く働き続けることも可能です。