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短期入所生活介護(ショートステイ)で働くには? 資格や職種を紹介!

介護者の負担を軽減する目的として使われることも多い短期入所生活介護(ショートステイ)。短期入所生活介護サービスを行っている事業所に勤務すると、どのような仕事をするのでしょうか? 短期入所生活介護で活躍している職種や、その職種に就くために取得すべき資格について確認してみましょう。

短期入所生活介護(ショートステイ)とは

短期入所生活介護(ショートステイ)とは普段在宅で介護を受けている人が、一時的に施設に宿泊できるサービスのことです。施設では日常生活の介護や機能訓練を受けながら生活を送ることができるため、介護者の病気療養・冠婚葬祭・出張などの「家を数日間空けるため、介護ができない」ときなどに多く利用されます。また介護者の精神的・身体的な負担軽減の目的としても使われます。 一泊でも宿泊できるため、多くの利用者が活用します。そのためひとりの利用者をじっくりサポートするというより、さまざまな利用者と関わることができます。
利用対象者は要介護1~要介護5と認定された人になり、入所日数には制限*が設けられています。

* 入所日数の制限
要介護認定期間の半数まで(有効期間が180日の場合は90日間利用可能)
連続して利用できるのは30日まで(31日目以降は全額自己負担)

3つあるショートステイ

短期入所生活介護(ショートステイ)には大きく分けて併設型・空床利用型・単独型があります。

併設型 特別養護老人ホーム・老人保健施設・介護療養型医療施設などと一緒に運営されている施設。長期間の利用者が多く、ショートステイのほとんどが併設型。
空床利用型 併設型と同じく、特別養護老人ホームなどの施設と一緒に運営され、本体施設となる空きベッドをショートステイのサービスに活用。
単独型 ショートステイのサービスのみを専門的に提供。定員は20~50名ほどの小規模の施設が多く、併設型・空床利用型と比べて短期間での利用者が多い。

どの施設も宿泊予約が多く、土日や大型連休がある時期は利用者が増える傾向にあります。自宅で介護をする人が年々増え、在宅介護を推奨する動きもあるため、これからも利用者が増えていくと予想されます

ショートステイで働くメリットは?

ショートステイは利用者が固定されていないため、日々さまざまな対応が求められます。それにより経験値が上がりスキルアップが望める現場です。

ショートステイの勤務条件や特徴

勤務
時間
・シフト制勤務
・早番/日勤/遅番/夜勤
勤務
形態
・正社員
・パート
平均
給与
・正社員:月給18万前後~
・パート:時給950円前後~
※職場により別途資格手当あり
就業する際の条件 ・無資格でも就業可能
・役職を目指す場合は資格が必要
特徴 ・利用者がすぐに変わるので、対応にスピード感が求められる
・多くの利用者や家族と関わって、生活の質を向上させることができる。

参考:厚生労働省 平成25年度介護従事者処遇状況等調査結果の概況
厚生労働省 平成28年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要

勤務体制はシフト勤務となり、早番・日勤・遅番・夜勤などの時間帯に分けられます。 夜勤には夜勤手当があり、 取得資格によって給与が上がる場合が多いので、初任者研修や実務者研修、介護福祉士などの資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

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短期入所生活介護(ショートステイ)の仕事内容

短期入所生活介護(ショートステイ)では、食事や入浴、排せつ介助などの身体介護をはじめ、レクリエーションなどを行います。また運動機能の改善・維持のために歩行訓練やストレッチなど、個人に合わせた機能訓練を行います。

一日の業務の流れ

下記は一般的な短期入所生活介護(ショートステイ)における、一日の業務の流れです。

■ 6:00~ 起床介助
利用者一人ひとりが一日を気持ちよくスタートできるように、声かけをします。
おむつ交換・着替えの介助を行い、身だしなみを整えます。
■ 7:00~ 朝食
一人でうまく食べられない人に、食事の介助をします。食べるときの姿勢や、食べ物の大きさ、口に運ぶタイミングなど細かな気配りが必要です。服薬の介助、歯磨きなどの口腔ケアも行います。
■ 9:00~ 送迎・新規利用者の受け入れ準備
新規利用者を部屋に案内し、荷物を整理します。持ち物に名前が書いてあるかのチェックやメモを取ったりなど紛失対策を行います。
■ 9:00~ 入浴の介助
入浴前の体温・血圧などのバイタルチェックをはじめ、入浴の見守り・介助を行います。体調不良などで入浴ができない人には体を拭き、清潔を保ちます。
■ 11:00~ 昼食
食事介助・服薬介助を行い、食後の口腔ケア・排泄介助などを行います。
■ 13:00~ 主な活動
折り紙や音楽鑑賞、テーブルゲーム、または個別の趣味を生かして、一日を楽しみます。季節に合わせたさまざまなイベントやレクリエーションも行います。また個人に合わせた運動機能訓練などを行い、体を動かすことも行います。
■ 15:00~ 送迎
利用者の送迎を行います。利用者の入れ替わりが多く、一・二泊の利用者が多いので、退出時には忘れ物がないかのチェックや連絡事項の確認に気を付けます。
■ 16:00~ 夕食
食事介助・服薬介助・口腔ケアなどを行います。
■ 20:00~ 就寝介助
水分補給、服薬の介助、トイレの誘導や着替えをします。TVを見たり、就寝したりなど利用者がリラックスして過ごせるように見守りを行います。
■ 21:00~ 夜の見回り
利用者の様子に変化がないか、定期的に夜間を巡回します。必要であればトイレへの誘導やおむつ交換をします。

ショートステイで働くうえで大切なこと

短期入所生活介護(ショートステイ)は、利用者の入れ替わりが頻繁にあります。そのため利用者情報を理解し、施設スタッフ間で共有する必要がありますまた、短い間でも気持ちよく過ごせるように、その人の生活スタイルや要望を積極的に取り入れるよう心がけます
家族と離れ、いつもと違う場所で宿泊することで不安になる利用者もいます。特に認知症の人は、環境の変化にとても敏感なので、心身の状況を把握し対応することが求められます。また認知症の進行が進まないためにも、利用者家族とよく相談し、レクリエーションやリハビリなどを行うことが大切です。

短期入所生活介護(ショートステイ)で活躍するには

短期入所生活介護(ショートステイ)では、どのような人が活躍しているのでしょうか?まずはどのような職種の人が働いているのかを確認してみましょう。

ショートステイに必要な職種を確認

職種 資格
管理者 施設全体を管理・運営する重要な役職。 資格は不要だが、介護の知識や技術、法令についての知識が必要。
生活相談員 社会福祉士や精神保健福祉士、あるいは社会福祉主事任用資格が必要。ただし、自治体によってはケアマネージャー*1介護福祉士などの資格を取得した人でも可。*2
介護職員 無資格でも勤務できるが、身体介護には、介護職員初任者研修または実務者研修介護福祉士のいずれかの資格取得が必須。
看護職員 看護士あるいは准看護師の国家資格が必要。
機能訓練指導員 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師・准看護士・柔道整復士・あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師のいずれかの国家資格が必要。
栄養士 ケアマネージャーと相談の上、栄養のバランスや彩りなどを考えた献立の作成や栄養管理を行う。栄養士または管理栄養士の資格が必要。
医師 入所者に対して健康管理及や療養上の指導・相談を行う。
調理員 栄養士が考えた献立をもとに、利用者に合わせた調理法で料理を行う。
事務員 介護保険制度に基づいて介護給付費を国や地方自治体に請求する事務をはじめ、労務管理や経理などを行う。介護事務の資格があると就職に有利。

配置人数については、管理者は常勤として1人配置と決まっていますが、併設型の場合であれば兼務も可能です。
また生活相談員・介護職員・看護職員も常勤が必要ですが、利用者20人未満の併設型であれば非常勤も可能など、職種ごとに基準があります。

*1 地域によって、規模や利用者数で配置基準が異なる場合があります。詳細は所属地域の担当課へご確認ください。

*2 「ケアマネージャー」の表記について:厚労省や地方自治体による文書では「ケアマネジャー」が正式な表記とされていますが、当サイトでは、現在一般的に使用されていることから「ケアマネージャー」を使用しております。

*3 都道府県や市区町村によって資格要件が異なります。詳細は所属地域の担当課へご確認ください。

ショートステイで働くための資格を確認

短期入所生活介護(ショートステイ)には要介護1~要介護5までの人が利用します。あらゆる介護サービスに対応するためにも、資格取得をおすすめします。

介護の資格 ポイント 講座資料
介護職員初任者研修
(初任者研修)
  • 介護職員として勤務できる
  • 訪問系サービスには必須
  • 介護の基礎知識を学べる
全国の
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実務者研修
  • 介護職員として勤務できる
  • 介護福祉士受験に必須
  • 医療的ケアも学べる
全国の
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介護福祉士 国家資格
  • 介護職員の中心的存在
  • サービス提供責任者や生活相談員*にもなれる
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ケアマネージャー
  • 利用者に適切な介護サービスを計画する
  • 利用者や家族からの相談業務を請け負う
  • 生活相談員として勤務できる場合もある
全国の
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社会福祉士 国家資格
  • 生活相談員として勤務できる
  • 関係者との連絡や調整などの役割を果たす
全国の
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* 自治体によって要件が異なります。詳しくはご確認ください。

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