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ケア資格ナビ> 社会福祉士ガイド> 社会福祉士を目指す人へ 社会福祉士の仕事内容を紹介 ~地域包括支援センター編~
インタビューにご協力いただいたのは…
国家資格として位置付けられている「社会福祉士」は日常生活を営むのに支障がある人の相談を受け、関係者との連絡や調整、援助などの役割を果たしています。実際に地域包括支援センターの管理者として働く佐藤智之さんにお話を伺いました。
大学入学の年が、ちょうど介護保険制度の始まる年だったことがきっかけで福祉系の大学に進学したことからです。恥ずかしながらそれほど高い志はありませんでしたが、大学で福祉について学んだり、実際に仕事をしたりする中で「社会福祉士」としての仕事の魅力に気が付いていきました。
四年制の福祉系大学に在学中、国家試験に合格し、社会福祉士を取得しました。初めは老人保健施設で介護職員として入職し、その後、支援相談員としてのポストが空いたので支援相談員になりました。現在勤めている地域包括支援センターでは管理者として7年ほど前から勤務しています。6年前にはケアマネージャー*の資格も取得しました。
現在勤めている地域包括支援センターではケアマネージャーさん達の相談にも応じるため、勤務して1年目にケアマネージャーの仕事をもっと知りたいと思いました。社会福祉士として実務経験を経ながら、ケアマネージャー試験にチャレンジすることが可能だと感じたので、通信講座の参考書を買い、勉強しました。仕事をしながらのチャレンジでしたが、仕事そのものがケアマネージャー試験の内容に直結することが多かったので、試験自体には1回でパスすることができました。
社会福祉士として働く分野は、医療・高齢者・児童・障害など多岐に渡っています。個別のケースワークが基本ですが、いろいろな関係機関や団体をつないで、幅広い視点から支援・解決を図っていくことが基本だと思っています。私は老人保健施設での経験がありますので、それを生かして地域包括支援センターでの業務にあたっています。老人保健施設との業務を比較すると主な業務内容は以下の通りです。
老人保健施設
地域包括支援センター
これら施設の業務は一例であり、その他、上記の業務以外にも別途対応が必要になることがあります。
勤務は朝9時~午後6時くらいまでで、土・祝日が休みです。基本的にはシフト制で動いています。
一日の中の主な業務は以下の通りです。
その日によって行う業務は変わりますが、利用者さんの相談対応は日々行っています。
地域包括支援センターは高齢者や家族のみなさんが、住み慣れた地域で安心して暮らしていけるように、社会福祉士の他、ケアマネージャー、保健師・看護師などの福祉や保健の専門職が、互いに連携をとりながら、皆さんの相談に応じています。
主な相談
私達の相談業務は「住み慣れた自宅・地域で安心して暮らしていくこと」につながっています。 公的な制度だけではなく、地域にあるいろいろな、人・団体・サービスを利用して、高齢者を支えていくことを心がけています。
毎日の業務の他に以下のような月に数回の業務があります。
「自分が関わった方の人生に大きな影響を与える」ということに、とても大きな意味を感じています。 相手から学ぶこともとても多いですし、いろいろな人や機関、団体とのやりとりが多く、人脈も広がります。また、そういった ネットワークを利用して支援がうまくいったときの達成感が大きいです。
認知症で、お一人暮らしの方がいらっしゃったのですが、その方はなかなか他の人に心を開いてくださらず、担当のケアマネージャーも支援の仕方を思慮していました。どういうわけかその方は私には心を開いてくださり、日々の暮らしの中でコミュニケーションを深めるようにして相談業務にあたっていました。
あるとき、その方の財産に関する問題が起きたのですが、私がいたことで成年後見人をたて、財産を守ることができました。そのときには社会福祉士として役割が果たせたと実感しました。
社会福祉士をはじめとする相談援助業務は、支援の必要な人を中心として、さまざまな役割を果たす人がチームとなって支援を行います。一人として欠けたのでは、支援は成り立たず、困っている人を助けることはできません。困っている人の悩みが解決でき、快適に生活できることに貢献できたとき、やはりこの仕事をやっていて良かったと感じます。
社会福祉士の資格を取得すると、私のような介護関係の職場に勤務したり、行政機関、病院、児童センターなど、さまざまな場所で働くことができるので、子どもから大人まで幅広い年齢層の人たちの支援を行うことができます。困っていたり悩んでいる人の思いをくみ取って、よりよい生活を過ごしてもらうことが社会福祉士の使命なので、人として成長することができると思います。
いろいろな方の人生に寄り添うことになるので、やりがいもあります。社会貢献したい方、チームで仕事をしたい方など、私が実際にこの世界で仕事をするようになってから、この仕事の魅力に気が付いたように、皆さんも社会福祉士の資格を取得すると自分の世界が変わるかもしれません。
*「ケアマネージャー」の表記について:厚労省や地方自治体による文書では「ケアマネジャー」が正式な表記とされていますが、当サイトでは、現在一般的に使用されていることから「ケアマネージャー」を使用しております。